772 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/06/28(日) 22:26:24 ID:IDUq7bSQ0 [2/6回(PC)]
小学6年生の夏休み直前の話。
その日、僕は肝試しに誘われていた。
メンバーは友達の新堂君、荒井君、細田君、僕の4人。
舞台は学校だった。
昼休みに新堂君が通用口の鍵を開けたとのことで、僕たちはそこから侵入した。
「うちの学校って七不思議ないよね。」
「でも元々墓場だったっていうのは聞いたよ。」
「ありがちだよね。墓場って土地が安いから学校とか建てるのに都合がいいんだって。」
そんな話をしながら僕たちは廊下を進んでいた。
目指していたのは音楽室。
肖像画の目が動いたりピアノの音が聞こえてきたら面白いからというのが理由だった。
音楽室は3階の端。
歩くたびに反響する足音のせいでなんだか後をつけられているような気がしていた。
音楽室の扉を触ってみると鍵がかかっている。
「なんだ、鍵を用意してないのかよ。詰めが甘いなー。」
一般の教室にはのぞき窓があったが、理科室や家庭科室など
特別な部屋の扉についている窓は擦りガラスだった。
中をうかがうこともできない。 もちろんピアノの音なんて聞こえなかった。
「つまんねー。帰ろうぜ。」
険悪なムードが漂っていた。
「あの…僕…トイレに行きたくなっちゃった。」
細田君が言った。
僕も実はさっきから催している。
「それじゃ校門で待ってるから早く済ませて来いよ。」
僕と細田君はトイレに行くことにした。
【つづく】
【扉を開けたのも先生ではないのだと思う 前編】の続きを読む