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    2016年11月

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    41 : おにいさん3[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 17:48:18.17 ID:s+XHJkPg0 [34/41回(PC)]
    会場は所狭しと出店が並んでいて、普通であれば真ん中には櫓が組まれているはずなのにそれは無く、ひな壇みたいなものがあってその上で太鼓と笛が小気味良い音を奏でてる。 
    そのひな壇の近くにお神輿が大小二つあって大きいほうは15人くらいで持つ奴で、小さいほうはその気になれば一人でも担げるようなミニ神輿だった。 

    なんだあれはと思っていると法被を来た子供たちが、どこからともなくわらわらと俺たちの周りによってきた。 
    総勢で20人くらいいたのかな? 
    高学年の子も低学年の子もいてみんなニコニコしてるんだけどみんな法被の色は紺色だった。 
    「俺達と法被の色が違うね?」というと高学年ポイ子に「おにいさんだからだよ!」と言われた。 
    俺より高学年ポイけど違うのかなって思ったんだけど、まぁいいやって思って、子供みんなで遊んでた。 

    出店に行くとお金はいらんからって何でもくれる気前のよさ。 
    俺たちも他の子供もわたあめ食べたり、射的したりで存分に遊ばしてもらった。 

    大人はというと遠巻きに子供たちを眺めながら酒を飲んでいる。 

    しばらく遊んで、頃合いとみたのかさっきのおじさんが中央のひな壇の上で大きな声でしゃべり始めた。 
    一斉に止む笛の音や太鼓の音。 
    「それではおにいさん祭りを開催します!!」という声と共に歓喜の声。 
    大人も子供も。 

    俺たちも訳も判らずはしゃいでる。 

    子供たちは全員がそのおじさんに連れられてさっきの神輿があったところに。 
    町の子供たちはあらかじめ場所が決められていたかのように大きな神輿の回りに順序良く整列した。 
    この神輿はスゴくキラキラしていて装飾がすごい。 
    もちろん子供が持てる大きさなので、テレビなんかで大人が担ぐ神輿に比べればたいしたことはないが、一見して豪華だということは子供ながらにも判った。 

    俺たち三人はどうすればいいのか判らないのでマゴマゴしているとさっきのおじさんがやってきて「ほら、君たち三人はこの小さい方を担いでね」と大きい神輿のすぐ近くにある小さい神輿を指差した。


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    39 : おにいさん1[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 17:45:12.19 ID:s+XHJkPg0 [32/41回(PC)]

    生まれは都市圏だけど、まだ緑が多かったころなので遊び場には事欠かなかった。 
    家の近くに大きな空き地があって、毎年盆踊りをそこでやっていたのを覚えてる。 
    その空き地が潰されて大きな工場が出来たときに、自分の遊び場所がなくなってすごく悲しい思いをした。 
    そんな頃の話。 

    小学校の頃はやんちゃだった。 
    いつも悪戯ばかりして怒られている様な。 
    そんな俺と同じようにやんちゃなNとY。 
    3人で遊んでいれば何でも出来そうな気がしたもんだよ。 

    夏休みのある日、自転車で川を遡って行って水のきれいなところで川遊びをしようってことになったんだ。 
    朝から自分たちでおにぎり作って、水筒に麦茶詰めて、リュックを担いで、一生懸命自転車を漕いでさ。 
    そういったちょっとした冒険旅行みたいなことは誰でもするだろ? 
    俺たちもそう。 

    それで朝早くから3人集合して川を遡ったんだ。 
    もちろん川原を遡っていくのは無理だから川に沿った道を延々と。 
    時には迷いながら2時間ぐらい遡った山のふもとで、ちょっと休憩しようってなったんだ。 

    もちろんそこは知らない町でさ、電柱には五木町って書いてあった。 
    面白いのは同じ色の青い屋根、同じ大きさの家がいっぱい並んでたのをよく覚えてる。 
    おかしいな?とも思ったんだが、それでも3人いれば楽しくって気にならなかったな。 

    自転車を川沿いの道の端に寄せて止めてから俺たちは川原に降りた。 
    天気は少し曇ってたけど蒸し暑いうえに自転車漕いでたせいもあって汗でベタベタ。 
    一刻も早く川の中で体を冷やしたいって思って川の方へ向かったんだけど、そこにはその町の住民らしき人が20人くらい、大人も子供も集まってなんかやってるんだ。 
    一言も話しをせずに黙々と作業をしてる感じ。 
    大人も子供も。 
    老若男女を問わず。 
    土を掘ってるように見えて、何となく異様な光景に思わず俺たちの足は止まってしまった。


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    31 : パンドラ[禁后]9[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 17:17:57.19 ID:s+XHJkPg0 [24/41回(PC)]
    母親は二人または三人の女子を産み、その内の一人を「材料」に選びます。 
    (男子が生まれる可能性もあるはずですが、その場合どうしていたのかはわかりません) 
    選んだ娘には二つの名前を付け、一方は母親だけが知る本当の名として生涯隠し通されます。 
    万が一知られた時の事も考え、本来その字が持つものとは全く違う読み方が当てられるため、字が分かったとしても読み方は絶対に母親しか知り得ません。 
    母親と娘の二人きりだったとしても、決して隠し名で呼ぶ事はありませんでした。 
    忌み名に似たものかも知れませんが、「母の所有物」であることを強調・証明するためにしていたそうです。 
    また、隠し名を付けた日に必ず鏡台を用意し、娘の10、13、16歳の誕生日以外には絶対にその鏡台を娘に見せないという決まりもありました。 
    これも、来たるべき日のための下準備でした。 

    本当の名を誰にも呼ばれることのないまま、「材料」としての価値を上げるため、幼少時から母親の「教育」が始まります。 
    (選ばれなかった方の娘はごく普通に育てられていきます) 
    例えば… 
    ・猫、もしくは犬の顔をバラバラに切り分けさせる 
    ・しっぽだけ残した胴体を飼う 
    (娘の周囲の者が全員、これを生きているものとして扱い、娘にそれが真実であると刷り込ませていったそうです) 
    ・猫の耳と髭を使った呪術を教え、その呪術で鼠を殺す 
    ・蜘蛛を細かく解体させ、元の形に組み直させる 
    ・糞尿を食事に(自分や他人のもの)など。 

    全容はとても書けないのでほんの一部ですが、どれもこれも聞いただけで吐き気をもよおしてしまうようなものばかりでした。 
    中でも動物や虫、特に猫に関するものが全体の3分の1ぐらいだったのですが、これは理由があります。 
    この家系では男と関わりを持つのは子を産むためだけであり、目的数の女子を産んだ時点で関係が断たれるのですが、条件として事前に提示したにも関わらず、家系や呪術の秘密を探ろうとする男も中にはいました。 
    その対応として、ある代からは男と交わった際に呪術を使って憑きものを移すようになったのです。 
    それによって自分達が殺した猫などの怨念は全て男の元へ行き、関わった男達の家で憑きもの筋のように災いが起こるようになっていたそうです。 
    そうする事で、家系の内情には立ち入らないという条件を守らせていました。 


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    26 : パンドラ[禁后]4[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 17:12:36.35 ID:s+XHJkPg0 [19/41回(PC)]
    居間からは見えませんが、廊下の方に視線をやるだけでも嫌でした。 
    「どうする…?廊下通んないと二階行けないぞ」 
    「あたしやだ。あんなの気持ち悪い」 
    「オレもなんかやばい気がする」 

    C君と私とD子の三人はあまりに予想外のものを見てしまい、完全に探索意欲を失っていました。 
    「あれ見ないように行けばだいじょぶだって。二階で何か出てきたって階段降りてすぐそこが出口だぜ?しかもまだ昼間だぞ?」 
    AB両人はどうしても二階を見たいらしく、引け腰の私達三人を急かします。 
    「そんな事言ったって…」 
    私達が顔を見合わせどうしようかと思った時、はっと気付きました。 
    「あれ?D子、〇〇ちゃんは?」 
    「えっ?」 
    全員気が付きました。 

    D妹がいないのです。 
    私達は唯一の出入口であるガラス戸の前にいたので、外に出たという事はありえません。 
    広めといえど居間と台所は一目で見渡せます。 
    その場にいるはずのD妹がいないのです。 
    「〇〇!?どこ!?返事しなさい!!」 
    D子が必死に声を出しますが返事はありません。 
    「おい、もしかして上に行ったんじゃ…」 
    その一言に全員が廊下を見据えました。 
    「やだ!なんで!?何やってんのあの子!?」 
    D子が涙目になりながら叫びます。 
    「落ち着けよ!とにかく二階に行くぞ!」 
    さすがに怖いなどと言ってる場合でもなく、すぐに廊下に出て階段を駆け上がっていきました。 
    「おーい、〇〇ちゃん?」 
    「〇〇!いい加減にしてよ!出てきなさい!」 

    みなD妹へ呼び掛けながら階段を進みますが、返事はありません。 
    階段を上り終えると、部屋が二つありました。 
    どちらもドアは閉まっています。


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    23 : パンドラ[禁后]1[sage] 投稿日:2011/12/16(金) 17:09:29.75 ID:s+XHJkPg0 [16/41回(PC)]
    パンドラ[禁后] 

    私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。 
    どう読むのかは最後までわかりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれていました。 

    私が生まれ育った町は静かでのどかな田舎町でした。 
    目立った遊び場などもない寂れた町だったのですが、一つだけとても目を引くものがありました。 
    町の外れ、たんぼが延々と続く道にぽつんと建っている一軒の空き家です。 
    長らく誰も住んでいなかったようでかなりボロく、古くさい田舎町の中でも一際古さを感じさせるような家でした。 
    それだけなら単なる古い空き家…で終わりなのですが、目を引く理由がありました。 
    一つは両親など町の大人達の過剰な反応。 
    その空き家の話をしようとするだけで厳しく叱られ、時にはひっぱたかれてまで怒られることもあったぐらいです。 
    どの家の子供も同じで、私もそうでした。 
    もう一つは、その空き家にはなぜか玄関が無かったということ。 
    窓やガラス戸はあったのですが、出入口となる玄関が無かったのです。 
    以前に誰かが住んでいたとしたら、どうやって出入りしていたのか? 
    わざわざ窓やガラス戸から出入りしてたのか? 
    そういった謎めいた要素が興味をそそり、いつからか勝手に付けられた「パンドラ」という呼び名も相まって、当時の子供達の一番の話題になっていました。 
    (この時点では「禁后」というものについてまだ何も知りません。) 
    私を含め大半の子は何があるのか調べてやる!と探索を試みようとしていましたが、普段その話をしただけでも親達があんなに怒るというのが身に染みていたため、なかなか実践できずにいました。 
    場所自体は子供だけでも難なく行けるし、人目もありません。 
    たぶん、みんな一度は空き家の目の前まで来てみたことがあったと思います。 
    しばらくはそれで雰囲気を楽しみ、何事もなく過ごしていました。 

    私が中学にあがってから何ヵ月か経った頃、ある男子がパンドラの話に興味を持ち、ぜひ見てみたいと言いだしました。 
    名前はAとします。 
    A君の家はお母さんがもともとこの町の出身で他県に嫁いでいったそうですが、離婚を機に実家であるお祖母ちゃんの家に戻ってきたとのこと。 
    A君自身はこの町は初めてなので、パンドラの話も全く知らなかったようです。


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