日本人の総氏神として日本国を守る天照大御神。そのご鎮座地である伊勢神宮へのお参りは、江戸時代の人々にとって憬れの的であり、日本人なら一生に一度は行きたい大旅行とされた。

日本人の伊勢への憧憬は強く明治維新以降も“今生の別れ”と家族と盃を交わして、お蔭参りの大旅に出る方は少なくなかった。

伊勢神宮は日本人のパワースポットブームの走り的存在であり、なおかつ最強のパワースポットで、そのご利益は計り知れない。

参拝の心持としては、お願い事をするのではなく、日々生かしてもらっているというお蔭を感じること肝要とされる。日本全体を護ってくれている総氏神に感謝しに行くという気持ちが大事なのだそうだ。

お蔭様と感謝しに参るのが目的であるので、ご利益という表現は可笑しいかもしれないが、年に一度でも伊勢神宮にお参りすれば必ずと言っていいほど良いことが起こるそうだ。

それも将来への道が拓けるような幸運が舞い込むことが多く、良い立地で商いを始めることができたとか、自分が志す道のプロに師事することができた等、現代においてもご利益譚は絶えることがない。

高千穂、富士山、筑波山、各地にパワースポットがあるがわざわざ遠くに出向く必要はない。

血縁ある氏を守る氏神様、血縁がなくともその土地に生まれた者・住む者を守る産土神にお参りすれば十分なご加護を頂けるとのことだ。

そしてもし時間が許せば、日本人全体の氏神様、そのご鎮座地である伊勢神宮にお参りすれば、他のパワースポットに行く必要はなく全て事足りるのだという。

氏神を祀る神社は遠くお参りし辛い場合があるので、
感謝の意を込めて土地の産土神にお参りしてみるのが良いのかも知れない。