319 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/06/28 10:01:00
15年ほど昔、私はとある観光業の仕事をしていて 
そこの独身寮に入っていました。 
その日は気温も頃合いの非常に過ごしやすい日和で、仕事を終えた私は 
のんびりと部屋の中でテレビを見ていました。 
そこへノックの音。 
返事をすると同期入社で一番仲の良い同僚が入ってきて 
「今度の休み、Mちゃんの観たがっていたビデオ買ったから、 
また外泊届けだして泊まりにおいでよ」 
彼女の実家は、そこの独身寮のすぐ近くにあるのです。 
(私の職場は決まりがあって、最低でも一年は独身寮に 
入らなければいけないのです) 
勿論休みの時は帰れるわけですが、私はその時一度だけ彼女の家に 
泊まった事があり、そこで彼女のおうちの方にとても優しくしていただきました。 
私は、彼女の誘いを快諾して、友人はそれを知ると笑顔で帰っていきました。 
彼女が帰ってから私は、少し首を捻り部屋の中にある蛍光灯に目を向けました。 
一昨日変えたばかりの蛍光灯は、煌々と、寧ろ眩しい位に部屋を照らしていました。 
なのに、先ほどの同僚の周りが妙に暗かったのです。 
顔や、体全体を黒い靄のようなものが取り囲んで彼女を包んでいました。 
変だなと思いつつも、その日は普通に過ぎていきました。 
次の日、職場に行って外の掃除をしていると、上空を自衛隊のヘリが 
やたらに飛び交っていて、演習でもないのにどうしたんだろうと思っていました。 
その答えは、暫らくしたら係長から私に伝えられました。 
「Mさん、君、Aさんと仲良いよね。彼女のお父さんともあったそうだね」 
「はあ、良いです氏、お父さんもとても優しく面白い方でしたよ」 
「さっきね、Aさんのお父さんの乗っていた飛行機、堕ちてAさんのお父さん 
亡くなったそうだ」 



321 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/06/28 10:07:00
詳しい階級等は忘れてしまったのですが、彼女のお父様は航空自衛隊の上官でした。 
若手の指導の為に同乗されていたそうです。 
前回私が遊びに行った時、食べきらないからという私に、 
ニコニコと笑いながらもさらに焼肉を進めてくださるとても楽しい方でした。 
あの時は、次の日に私達をプールに連れて行ってくださったり、 
帰る時にも寮まで送ってくださり、「今度来るときは、もっといい肉を 
食べさせてやるからね。また、おいでね」と、笑いながら言われました。 
それが、まだきちんと記憶の中に残っている矢先の出来事で、 
私は何を言って良いのか言葉を失いました。 
同僚では私一人、自衛隊での葬儀に出席させていただきました。 
崩れるようなお母様と対象に、毅然とした彼女の姿が今でも忘れられません。 
そして、中央に飾られた彼女のお父様の写真が、私の前で見せたもう一人の 
娘を見るような、いかにも普通のお父さんといった物と違い、 
制服に身を包まれたきちんとした姿だったのがさらに私の涙を誘いました。 
あの影はなんだったのか未だに分かっていません。 
彼女の不幸を私に教えてくれたものなのでしょうか。 

もうひとつは私の母親の体験で、これは心霊体験ではなく夢での出来事です。 
平成8年、3月3日。 母は奇妙な夢を見ました。 
浅いけれど、キラキラと光るとても綺麗な澄んだ川を可愛い赤ん坊が流れて 
きたそうです。 
それは、光が差す方向に赤ん坊を守るように優しく流れて行ったそうです。 
目が覚めても、その夢が観ように頭の中に残っていた所に警察察からの電話。 
「お孫さんが突然亡くなったそうです」 
私の次男。平成8年3月3日、生後6ヶ月、乳幼児性の突然死でした。 
夢でも良いから会いたいと今でも思っています。