915 : 874[sage] : 03/12/21 19:34
何か私ばかり書き込んで申し訳ないのですが、残りレスも少ないので、3話目を
これは姉が小4の夏に体験した話です。
その後、毎年「怪談話」として近所では語り継がれたので、30年近く経った今でもはっきりと覚えている話しです。
当時私の住んでいる町内会では、夏の週末に大人は私道にござひいてバーベキュー、
子供達は揃って怪談話しをしたり、近所の神社や公園に肝試しに行くというイベントを楽しむ習慣がありました。
この年は、近所のトラックターミナルに肝試しに行こうという事になりました。
大きな子と小さな子がペアを組み、そのトラックターミナルの一番奥にある、直径2mはあると思われる、
丸い木の板にそれぞれの名前をチョークで書いている、というルールの元に肝試しは始まりました。
姉は仲良しの小6の男の子(たかくんと呼びます)とペアを組み、3組目としてスタートしました。
しばらくして二人は戻って来ましたが、その様子に周囲は唖然としたそうです。
二人とも支え合う格好で、足下はおぼつかない、フラフラ状態でした。
たかくんは「おかあさん!おかあぁさぁん!!」と叫んでいる有様でした。
そして二人して口々に「出た!」「見た!!」とそこで見たモノについてしゃべり始めました。
916 : 874[sage] : 03/12/21 19:37
たかくんが見たモノとは、
木の板が立てかけてある大きな箱(多分コンテナ)と箱の間に髪の長い白い服を着た女の人が立っていた。
そして二人で見ていると、上半身だけがこっちに向かってグンと伸びてきた、
という感じでした。
姉が見たモノとは、
その箱と箱の間に最初に白い人影(女の人とは言わなかった)がいた。
見ていると「うごぉぉぉぉぉぉ」という感じで、その狭い隙間から無理にその身体を
抜き出そうかともがきながら、その人影が膨らんできた
(そのイメージを、水風船をグニュッと握りしめ表現してくれました)
逃げようにも足がまるで石のようになってしまい、その場から動けずにいたそうです。
ただ、二人とも「目を閉じてはいけない」と直感的に感じたそうです。
そしてその白い人影がこちらにグンと近づいて、二人が「もう駄目だ!」
と感じたとき、右方向から突然青い光る球体がその人影めがけて飛んできたそうです。
その瞬間、二人の足が動くようになり、慌てて逃げ帰ってきた、という次第です。
917 : 874[sage] : 03/12/21 19:39
その様子を見た、酔っぱらいの大人達はまず笑い飛ばしました。
そして「そこまで言うなら見てこようじゃないか」という事になり、
たかくんの父親とあと2人、3人でその場に行くこととなりました。
(ここから先は後で聞いた話です)
帰ってきた大人達は真っ青で、開口一番「お前ら子供は早く寝ろ!」でした。
その様子に好奇心をかき立てられた子供達は「おじさん達何見たの?」
とまとわりついて何でもイイから「怖い話しの続き」を聞き出そうとしました。
その後、近所でもおしゃべりでお節介なおばさんが言うには
「木の板には、先に行った子供達の名前が一つも書いてなかった」そうです。
「○○と××の名前をアイアイ傘にしてきちゃったよん」
と2組目の子が語ったので、誰も奥まで行かなかった、という事はないと思います。
(これに尾鰭がついて「お経が書いてあった」と語る人もいます。)
翌日その板を見に行った子もいるのですが、その頃にはすでに板は撤去されていたそうです。
子供に見せたくない何かが書いてあったのでしょうか?
そしてあの青い光がなければ、姉達はどうなっていたんでしょうか。
実は青い光について、私達家族には思い当たる事があります。
918 : 874[sage] : 03/12/21 19:43
この体験があった年のお正月。
私と姉と隣に住んでいる姉弟でこのトラックターミナルでバトミントンやたこ揚げなどしてました。
その時、姉は見てしまったのです。
トラックが格納してある建物の屋上から人が落ちてくるのを。
この建物は一番下にすのこのような物が収納してあり、その部分だけでもゆうに2mはあるかと思われます。
その上にトラック、天井があって、またその上にもトラックが入るようになってます。
そしてその上に運転手さんたちの寮があったので、相当な高さだと思います。
私達が駆け寄ってみると、それは若い男の人で顔面が血だらけでした。
しかし、うめきながら身体を少しずつ動かしているので、まだ息はあるようでした。
遠くにその友人と思われる男の人が立っています。
「○○!お父さん呼んできて!!」
姉の言葉で直ぐに私は家に駆け戻りました(家まで走って1、2分程度)
「お父さん!ターミナルで人が落ちた!」
私と両親は急いでその場に駆けつけました
(現場近くに行った時、母は家に戻り救急車を呼びました)。
まだ友人と思わしき男性は遠くでぼーーっと立ったままです。
919 : 874[sage] : 03/12/21 19:46
私達が駆けつけた時、姉は落ちた男性の手を握り
「大丈夫よ、いま救急車来るからね」「大丈夫、大丈夫よ」
とずっと励まし続けてました。
「お前らは下がっていろ!おい、てめえ!何やってんだ!!」という父の罵声に、
その友人はようやく我に返り、瀕死の友人の元にやってきました。
私はその人の様子を母の陰から見たのですが、瞳の光が少しずつ消えてゆくのがはっきりと分かりました。
程なく救急車が到着し、彼とその友人は車に乗りましたが、既に手遅れでした。
後で聞いた事ですが、その人達はそのターミナルで野球をしており、
屋上に乗ってしまったボールを取る為にその人はこっそりと屋根に登ったそうです。
青く光る球体は、きっとその人が悪い霊に向かって投げた「ボール」だったのでしょう。
だから、その人が落ちた(亡くなった)建物がある方向から飛んできたんでしょう。
見知らぬ自分の為に、血だらけになりながらも、ずっと手をとり励ましてくれた
姉を助けてくれたのでしょう。
少なくとも私達はそう信じています。
3話目 おしまい
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