909 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/11/14(金) 23:02:53 ID:d42Lrl780 [1/1回(PC)]
以前、中古住宅を探していたときの話。 

あんまり予算がなかったので、郊外の不動産屋同伴でいろいろな物件を見て廻った。 
しかし値段相応に築年数も経っていて、駅へのアクセスも結構不便。 
正直、この予算じゃやっぱムリかなぁ…と半ば諦めながら見物してた。 
そんな中で唯一、駅にかなり近く、築年数も比較的浅い物件があった。 

建坪わずか15坪っていうちっちゃな一戸建。半三階建てで異様に細長~い家だった。 
庭はないけど車庫がある。車庫脇に玄関があって、車庫裏にちっちゃなキッチン等の 
水周りがあり、玄関正面から階段が螺旋状に昇っていく変わった作りだった。 
2階には6畳間、3階には4畳半。独り暮らしにはそれでも十分に思えた。 

でも、なんだか買いたくなかった。昨日はさくさく開いたという車庫のシャッターが 
全く開かない。キッチンの電気も点かず、どうやら一日を通じて日差しゼロ。 
ちっちゃな風呂場に至ってはあちこちに気味の悪いシミが浮いていて、一言で言うと 
「黒い」。2階の6畳の壁の大きなシミは芸術的なほどに女性の横顔に見えた。 
唯一、3階の4畳半には陽が差し込んでいたけど、逆に言えば安心して居住できるのは 
ここだけ、といった印象がすごく濃かった。 

んでもって不動産屋。他の物件と違ってやたらと早く出たがっている様子がアリアリ。 
仕事なんだからもーちょい売り込めよと思った。 
結局、この物件で懲りて、奮発して新築を買ったわけだが、中古ってのはなんだか 
いろんな過去が澱んでるみたいでなんだかヤだね。 
自分的には、白昼からちょっと薄気味悪かったんで書いてみた。