173 : 1[sage] 投稿日:2009/06/06(土) 11:32:45 ID:Psvxll6A0 [1/8回(PC)]

2年前の話を 
この話は一応口止めされている内容のため、具体的な場所などは書けません。 
具体的な部分は殆ど省くかボカしているので、それでもいいという方だけお読みください。 


高校3年の夏休みの事。 

俺と友人5人は、受験勉強でかなり疲れが溜まっていた事や、高校最後の夏休み 
ということもあって、どこかへ旅行に行こうと計画を立てた。 

ただしもう夏休みに突入していたため、観光地はどこもキャンセル待ちの様な状態で、 
宿泊地を探すのにかなり苦労した。

そしてやっとの事で近畿地方の高原?のような観光地のペンションにまだ空きがあるという情報をネットでみつけ、
まあ騒いでも苦情が無いならどこでもいいかと即決でそこに決めた。 


旅行当日、早朝に出発し昼前に現地に到着したのだが、そこで少し問題が起きて 
しまった。 


どうやら旅行代理店とペンションの管理組合?との間で伝達ミスがあったらしく。 
俺達は今日から2泊3日で予約していたにも関わらず、ペンションの方には宿泊予定が 
今日から3日後と伝わっていて、今は満室で1つも空いていないと言い出した。 

俺達はここまで来てそれはないだろうと文句をいうと、最初はふもとの町にある 
ホテルなどを紹介されたが、俺達はただ観光に来たわけでは無く夜中に騒いでも 
苦情が来ないような場所が条件だったため、かなり食い下がった。 

するとペンションの人が


「じゃあちょっと待っていて欲しい」


と携帯でどこかへ電話をし始めた。 
電話の内容は良く解らなかったが、なんとなくかなりモメていたようで、そのまま 
15分ほど電話していたが、どうやら話がまとまったようで、


「近場に貸し別荘があるのでそこでどうだろうか?
料金はこちらの不手際なのでペンションの代金の3割引で良い」

 
と言って来た。
 
174 : 2[sage] 投稿日:2009/06/06(土) 11:33:43 ID:Psvxll6A0 [2/8回(PC)]

俺たちはまあそれならと納得したが、そこから少し雲行きが怪しくなった。 
どうもその貸し別荘は長い事使われていなかったらしく、準備や掃除に少し時間が 
かかるらしい。 

その間俺達には交通費と水族館の割引券を渡すので、そこで時間を潰して夕方に 
また来て欲しいとの事だった。 

その水族館はペンションのある場所からかなり離れていた、というか県外の某大都市 
にある水族館で、俺達が見終わってもどってくる頃には午後6時近くになっていた。 
俺達は


「こんなに準備に時間かかるってどれだけ放置されていたんだよ」


「廃墟とかじゃねーよな?」


「なんか怪しいんだけど」


などと不安を口にしながら管理事務所に向かった。 

ペンションに戻ってくると、先ほどとは違うおじさんが待っており、準備が出来たので 
案内すると歩いて15分ほど離れた森の中にある別荘へ案内された。 
そこは本当に完全に森の中で周囲には何も無く、余程大声で騒いでもまず苦情が来ない 
ような場所だった。 

そのおじさんが言うには、暫らく使われていなかったので手間取ったが、電気も水道も 
ガスもちゃんと通っているし、携帯は通じないが管理小屋への直通の電話もある、 
何の問題も無いとしきりに説明をし始めた。 


俺達はなにかおじさんに必死さが感じられてかなり不安になってきたが、今更どうしようも 
ないので別荘の中に入った。 


別荘は外観もそうだったが、洋風のかなり古いつくりで、築30年か40年くらい経っていそう 
な建物で、インテリアもそれに見合ってかなり古臭い。 

ただし、使われていなかったというわりにかなり小奇麗だった。 
今から思うと、小奇麗と言うより


「人が使った痕跡が殆ど無い」


といった方が良い感じだったが。



175 : 3[sage] 投稿日:2009/06/06(土) 11:35:13 ID:Psvxll6A0 [3/8回(PC)]

一通り別荘内の説明を聞き、建物も2階建てで広いしまんざらでもないなと荷物を降ろし 
夕飯のバーベキューの準備をしようとしていると、おじさんが去り際におかしな事を言い出した。 


ここは夜中に熊が出る可能性があるので、深夜の外出は控えて欲しいと言う。 


俺達はなぜか、かなり念入りに深夜の外出をしない事を約束させられた。 
ペンションの密集地から15分しか離れていないこんな場所に??と皆疑問に思ったが、 
まあ恐らくガキが夜中に出歩いて問題をおこしたり事故に合うと面倒なので、怖がらせるような 
事を言って脅かしているのだろうと納得した。 

一日目はそんな感じで過ぎ、晩飯を食った後で夜中の森の中を適当に散策し、花火をしたり 
ゲームをしたりと遊んで深夜2時頃に寝た。 
その日は特におかしな事は無かったのだが、次の日友達の1人が変な事を言っていた。 


そいつは夜中に小便がしたくなり、トイレに行くと、外から太鼓の音が聞こえてきたらしい。 
俺達は何かの聞き間違いだろうと言ってそのまま流し、本人も気のせいだろうと納得したが、 
その日の夜に事件が起きた。 


その日、晩飯の焼肉を食い腹もいっぱいになったし暇になり、する事が無かった俺達は 
昼間見つけた林道へ肝試しに行く事にした。 
肝試し中は何事も無く、俺達はつまんねーなと別荘に戻ると、入り口に20代後半くらい?の 
男が立っていて、ドアノブを握っている。 

時間は夜10時頃。こんな時間に管理人の人が来るとも思えず、


「空き巣か?」


と俺達が近付いていったのだが、 
その男はドアノブを握ったままこちらを振り向こうともしない。 
足音も声も聞こえるのだから、泥棒や不審者の類なら逃げそうな物だが、そいつは10mくらいまで 
近付いても微動だにしない。 

何か気持ち悪かったが、メンバーでリーダー格の友達と俺が


「おっさん何してんだよ」


と言いながら近付いていき、男の目の前まで来たのだがそれでも動く気配が無い。 
埒があかないので友達が


「聞こえてないのかよ!」


とそいつの腕を引っ張った。その瞬間俺と友達は


「うわあああああああああ」


と大声を上げて後ろへ飛びのいた。