689 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2009/07/08(水) 20:41:36 ID:DeNcy9mH0 [1/3回(PC)]

知り合いの話。 

彼の実家の山村ではその昔、奇妙な怪が出ていたらしい。 
夜寝ていると、天井裏からゴロゴロゴロという何かが転がる音がする。 
何だろうと覗いてみても、蜘蛛の巣以外は何も見えない。 
天井転げ、そう呼ばれていたのだという。 

ある時、若い衆が正体を見てやろうと、点検口の真下で待ち構えたことがあった。 
ゴロっと聞こえるや否や、蓋を跳ね上げ屋根裏を照らす。 
懐中電灯の明かりから逃れるように、隅の暗がりへ転がっていく物が見えた。 
歯をくいしばった、ざんばら髪の生首だったという。 

若い衆はその夜以降しばらく、高熱を発して寝込んでしまった。 
それからは天井転げを見てやろうという者は現れなくなった。 
そしていつの間にやら、とんと出なくなってしまったのだそうだ。