690 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2009/07/08(水) 20:43:00 ID:DeNcy9mH0 [2/3回(PC)]

山仲間の話。 

勝手知ったる地元の山を歩いていると、腐臭が漂ってきた。 
この先で動物でも死んでいるのかな。そんなことを考えながら足を進める。 

やがて行く手に現れたのは、蛇の大群だった。 
どれもこれも、白い腹を見せたり、嫌な角度に折れ曲がったりしている。 
蝿が山のように集っていた。 
確かめるまでもなく、皆死んでいた。 
そこで引き返し別のルートを辿ることにしたという。 


「聞いた話じゃ、この山ってヘビウチっていう風が吹くらしいんだ。 
 これに当たると、蛇の類いはイチコロで死んじゃうんだとさ。 
 何であんなに集まっていたのかは知らないけど、蛇とは言え可哀想なモンだ」 


彼は淡々とそう言っていた。