302 : 深夜のドライブ 1[sage] 投稿日:2009/06/23(火) 00:39:42 ID:bn0ryByu0 [1/5回(PC)]
今年の3月半ばの話
高校の卒業式も終わり、大学の入学式までまだ数週間あり暇だった俺と友人のひろしが
俺の家でだらだらとマンガを読んでいると、同じく友人のなおきから
「車でどっかドライブいかね?」
と電話があった。
話によると、なおきの兄貴が長期出張に行く事になったらしく、その間車を借りれる事になったので、
どこか遠くへ深夜のドライブに行こうということらしい。
俺たち2人はひたすら暇だったので二つ返事でドライブに行く事にした。
ただし、俺達は免許を取ってから機会があればあちこちにドライブへ行きまくっていたので、
地元の周辺はほぼ行きつくしており、暫らく考えた末に
「ひとまず高速に乗ってから、どこか
適当な知らない場所で降りてそこから下道を進もう」
という事になった。
1時間半ほど高速を進んだ辺りだろうか、山の中の人気の無いインターチェンジが見えてきたので、
そこを降りる事にした。
高速を降りると、予想の反してかなり整備された道だった。
人家や店が無いだけで街灯も多く、俺達は雑談をしながら暫らくその山道を進んでいると、運転をしてい
たなおきが
「あの横道入ってみないか?」
と提案してきた。
その横道は今まで走ってきた道とは違いかなり狭く、街灯も何もなく少し不気味な感じがしたが、
単調な広い道に飽きてきていた俺達はその道を進む事にした。
横道は予想以上に狭く、所々に木の枝が道まで突き出している場所などもあり、3人で
「なんかこえーな…」
などと話しながら進んでいたのだが、ふいに後部座席にいたひろしが
「…あ、あれは」
と何かを見つけたらしく止まってくれと言い出した。
続く
303 : 深夜のドライブ 2[sage] 投稿日:2009/06/23(火) 00:40:35 ID:bn0ryByu0 [2/5回(PC)]
続き
助手席にいた俺と、運転していたなおきは何も見ていたなったため、車を路肩に止めた後で
ひろしに聞いてみると、一瞬だが林の中に女の人らしい人影を見たという。
俺はひろしが俺となおきを脅かそうとしているのだと思い、
「またまた~w」
と茶化すように聞いたのだが、ひろしは大真面目に
「いや、マジだって、とりあえずちょっと引き返してみてくれよ」
と真顔で言い出した。
俺となおきは
「まあのせられてやるか」
的なノリで車を引き返し、ひろしが女の人を見たという
場所まで戻ると、さっき通った時は気付かなかったのだが、その場所には舗装されていない
下り坂の横道があり、その先には真っ暗な林道が続いていた。
なおきが
「お前が女の人見たのってここか?」
と聞くと、ひろしは
「道があったのは気付かなかった、
でも女の人は間違いなく見た。ほら、その先にちょっと大きい石あるだろ?あの辺り」
と言うので、
半信半疑のまま林道を下り、その場所まで行く事にした。
石というか岩の辺りまで来ると、その場所は少し開けており、車を止めて降りてみたが周囲には
誰もいない。 俺はひろしに
「誰もいねーじゃん」
と、はいはいそろそろネタばらしよろしく的に聞くと、ひろしはちょっとキレ気味に
「マジで見たんだって!」
と言い出した。
仕方なく俺となおきは岩の辺りを車のライトで照らしたりしていると、
岩の裏側の下のほうに何かが見えた。
最初になおきがそれに気付き、俺達は岩の裏側へと回り込んだ。
そこで俺達は背筋に寒い物を感じた。
岩の裏側に回ってみると、さっきまで気付かなかったのだが、女物のブーツの片足だけが
落ちていた。
続く
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