296 : ちょびエコ[] 投稿日:2009/07/17(金) 22:14:40 ID:D4UBLCP10 [2/8回(PC)]

もう7年くらい前かな、俺はその時丁度大学の冬休みで実家に帰ってた。 
俺の実家はかなりの田舎にあって、四方を山に囲まれた盆地で冬になるとかなりの雪が降った。 

そんな雪の中、俺は友人の成さんと少し遠い町までスロットのイベントに出かけた。
当時は、スロット全盛期で彼とはいろんな店にイベントを見に行ったりして 


「あの店はダメとか、ここけっこうでてる」


等と、話してた。大学が一緒だったしなにかにつけては
兄貴(俺の双子の兄貴、今回は関係ないので説明はありません)
と一緒に遊びに行ったものだ。 

その日は、出る店のイベントと言うこともあって俺たちは勝った。
一人6~7万くらい勝ったと思う。その分、閉店まで粘ったので時間は遅くなり飯を食べて、 
少しゲーセンによったらもう夜中の1時を回っていた。 


「成さん、眠くなってきたしそろそろ帰らない?」 


「ん?あ~もうこんな時間かぁ・・じゃ帰ろっか」 


俺が眠いと言ったので成さんの運転で帰ることになった。
パチンコ屋があるのが、実家から大きな県道を通って一時間半くらいかかる場所だったので
家に着くまでに寝てしまいそうだなぁ 
なんて思いながら助手席に座ってた・・・すると運転してた成さんが 


「そういえば、旧道って知ってる?」 


と、聞いてきた。もちろん旧道のことは聞いたことがある、
実家のある街からここまでの山をほぼ直線で越えてくる道で30分くらいでこれる道だ。 


「あぁ、知ってるよ山道のほうだよね?」 


「そうそう、そっちから帰ると早いんじゃなかったっけ?」 


「うん。30分くらいらしいよ。でも、たしかあそこって出るとかって話なかった?」 


「でるのかぁ・・でるねぇ・・・う~ん行ってみていい?何も出なかったら早く帰れるしどう?」 


「ん~・・いいよ。俺あんま信じてないし、でもちょっと雪積もってるし山道きをつけてね」 


成さんは、了解~と言うと県道を右に曲がって旧道に向かう道に入った。 
俺は、あんまりそういうことを信じてなかったので深く考えずに成さんの提案に賛成した。
 
297 : ちょびエコ[] 投稿日:2009/07/17(金) 22:16:11 ID:D4UBLCP10 [3/8回(PC)]

車は、雪の降る暗闇の中を進んでいる周りは真っ暗な林で窓の外を見てると
今にも木の影からなにか飛び出してきそうだ。俺は、うとうとしながらもぼ~っと窓の外を見ている 
流れているラジオをBGMにしながら暗い静かな雪道を進んでいく。 

車が、一車線のトンネルがある道曲がろうと右折した瞬間俺はゾクッとした鳥肌がたち、
全身の毛が逆立ったそして思った・・怖い 

なんで?周りにはなにもない、なにが怖い?
俺はしきりに周りを見る右を、左を、後ろを、そして前を見たとき気づいた 
この闇が怖い、この先にあるなにかが怖い、なにかある。俺はすぐ成さんに言った 


「ちょ、ここやばくない?なんか鳥肌とかすごいんだけど。」 


そう言って成さんを見る、成さんは前を見ながらこう言った 


「あ~俺もなんかゾクゾクする・・同じこと思ってたんだ」 


そうは言うけど成さんに引き返す様子はない、車は速度を落とさずに走り続ける 


「え?引き返さないの?かなりやばそうな感じするんだけど」 


思わず聞いてしまった。
普通やばいと思ったら引き返すと思ってたのに
全く引き返す気配がないので俺は意表をつかれ慌てた 


「ん~ここまで来て引き返すのもなんかあれだし、それにちょっとなにがあるか気にならない?」 


いや~ならないよ!!ならないならない!!!
なに言ってんだって思ったけど言っても意味はなさそうだ・・ 


「・・・じゃ目閉じてていい?俺は、成さんを信じて目閉じてるから任せるよ?」 


「了解~じゃあちょっと行ってみる」 


成さんがそう言ったので俺は座席を倒し目を閉じた、成さん怖くないのか・・・ 
車はしばらく順調に走る、嫌な感じが近づいてる気がする
夜の静かな暗闇に何がいるのか確かに気にはなる。 

でも、最初はもっと軽めがよかったなんて思ってみる
いくらなんでもこれはきつすぎだろだんだんゾクゾクが増してくる・・ 


「あっトンネルだ・・」 


成さんがトンネルに着いたことを教えてくれた。
狭いくて短いトンネルで車一台が通れる幅だけがある。 


「早く抜けちゃおうよ・・成さんGO-」 


俺は、早くこのゾクゾクから解放されたくて成さんにGO-サインをだした 


「了解~」