188 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/06/14(火) 16:30:15.83 ID:AJdfTkDm0 [1/1回(PC)]
おれの先輩  
週末は駅でナンパするのが日課だった その日はすぐにかわいい子が釣れて、ドライブをしていた 
どういうわけか人気のないところに行きたがる まあ好都合か、と希望通り車を走らせた 
夜は絶対に人のこない駐車場 先輩のとっておきの場所だった 

車を停め会話をしていると何の前触れもなく突然、 
女が二本の指で先輩の両目を突いた 
不意のことで両目を直撃した先輩は、あまりの事に我を失った 
ビニールのひものようなものが首に巻かれ、絞められた 
先輩は抵抗するが、ものすごい力で、振りほどくことが出来ない 
先輩が負傷しているということを差し引いても、女とは思えないすさまじい力だった 
必死に抵抗する中、手に触れたキーケースを取り、一本のカギを女の脇腹に突き立てた 

ギッ 

と女が呻き、力が緩んだスキに女を押しのけ車外に出た 
そのまま振り返ることもなく走って逃げたそうだ 
その場所と一番近かった俺の部屋に飛び込んできて、一部始終を話した 
首にはくっきりと紐の跡が残り、右眼の瞼は深く切れていた 
あまりの事に、警察や病院に行った方がいいのではと言ったが 
状況が状況だけに、あらぬ疑いをかけられたら困る、といい届けようとはしなかった 
しかし、車を置きっぱなしにしているのはまずい、とのことで、 
友達を呼んでそいつの車で三人で駐車場へ向かった 
先輩はひどく怯えており、バットを握りがたがた震えていた 
車はそのまま置いてあった 
車内は抜け落ちた女の髪や血痕が残り、本当だったのか、と驚愕した 
車に置いてあった公共料金の払い込み票が消えていたそうだ 
先輩はその日から自宅に帰らなくなった 
引っ越し代が出来るまで、と言い事情を知る俺や友達の部屋に居候した 
結局女が現れることはなかった