366 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/09/12(月) 05:17:37.72 ID:k78pnuCeO [1/1回(携帯)]
子供の頃家族と山にハイキングに出掛けた。 
で、張り切って先に先にと行ってるうちはぐれてしまった。 
誰も居なくて泣きながら歩いていたら、 
畑仕事みたいな格好をしたオッチャンが笑顔で歩いてきた。 

『迷ったんか、ここはちょっとぐねってるもんなあ。』 

って言葉だけはっきり覚えてる。俺はその瞬間からそのオッチャンが怖くて怖くて、 
心臓がバクバクしていた事しか記憶にない。 
オッチャンの顔からはミミズのような触手が何本も生えていて、 
ウニョウニョと蠢いていたんだ。 

オッチャンは笑顔のまま、俺の横にしゃがんで前の小道を指差し、 
ほら、あそこの道を行ったら出られるぞ。というような感じの事を言った。 
俺は今すぐ走り出したい気持ちを抑えて、親切にしてくれたオッチャンにペコリとお辞儀した。 

頭を上げたら、オッチャンはやっぱり笑顔のまま、うんうん、という感じで頷いていた。 
オッチャンの目からは触手が何本も突き出していた。 

あとはもう、教えて貰った道を振り向かずにひたすら走った。 
父を見つけた時の安堵感は忘れられない。 
その後、あのオッチャンの事は家族には話さず、俺はただずっと父と母に謝っていた。 

オッチャンがとても親切だった分、 
あの顔から出ていた触手が余計に印象に残ってしまって、未だにたまに夢に出て来る。 
その夢の中でのオッチャンは、笑っていないんだ・・・。