moon and cat_TP_V

638 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 15:39:20.38 ID:vaNvQ8WY0 [1/7回(PC)]
怖くはないんだけど、「化け猫は存在した!?」って話 

俺が中学のとき、捨て猫を拾ってきてしばらく飼ってた。 
そいつが赤ちゃんのときから飼ってんのに、全然なつかない。 
気性も激しくて、部屋中の壁も引っ掻き傷だらけになった。 

さらにその猫を飼い始めてから、実家で経営してる喫茶店の客が減りはじめたもんだから 
「こいつは『招かない猫』だな」 
なんて家族で冗談言ってた。 


639 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 15:41:23.48 ID:vaNvQ8WY0 [2/7回(PC)]
ところがその後、兄が交通事故、さらには親父が保証人になってた債務者が夜逃げ。 
立て続けに悪いことが起こって、経済状況が悪化。 
家庭内の空気も険悪になっていった。 
家族同士の喧嘩も多くなって、今思い返しても生涯で1、2を争う嫌な時期だった。 

そんなとき親父の知人から、霊能力が強いと噂のお寺の住職を紹介してもらった。 
いっぺんにいろんなことありすぎたので、藁をもすがる思いで、 
とりあえず話を聞いてもらおうということになった。



641 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 15:44:08.71 ID:vaNvQ8WY0 [3/7回(PC)]
数日後、両親と俺の3人でお寺まで出向いてその住職と会った。 
お互いの挨拶が終わるや否や、 
「猫飼ってるでしょ?」 
って言われて両親びっくり。 
特に親父は霊感あるらしく(自称)、そのやりとりだけで住職の力を信じきってた。 
俺は霊感もないし、「どうせ親父の知人から聞いてて知ってんじゃねーの?」 
って半信半疑。 
住職は「それ化け猫だから、お払いしてあげるよ」って。 
両親は真剣に聞いてたけど、ガキだった俺は「化け猫www」ってむしろテンション上がってた。 
1週間後、住職に家まで来てもらって、その猫をお払いすることになった。



648 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 16:07:16.09 ID:vaNvQ8WY0 [5/7回(PC)]
ところがお払い当日、住職が家に来る予定の30分くらい前から突然その猫がいなくなった。 
住職が到着してから、そこら中探したけど見つからない。 
住職が「逃げたな…」とか、ぼそっと言ってたの憶えてる。



649 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 16:09:17.94 ID:vaNvQ8WY0 [6/7回(PC)]
途中、お茶とか飲みながら2時間くらい探したけど、結局見つからなかったので、 
お払いはまた後日にするということで、住職は帰った。 
するとその5分後くらいに、ひょっこり猫が帰ってきた。 
そのときは、さすがに俺もゾッとした。 
で、その夜。 
電話でその話を住職にすると、 
「私が直接お払いするのは難しい。遠くの山に放しなさい」 
と言われたので、早速翌日そうすることに決めた。



650 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2011/09/04(日) 16:11:30.45 ID:vaNvQ8WY0 [7/7回(PC)]
こっからは俺も恐怖で記憶が断片的だけど、なんとか状況説明してみる。 
車で山に放しにいくことになったんだけど、運転中に暴れられたら危ないということで、 
カゴを買ってきて、それに入れて連れて行くことにした。 
で、親父が猫をカゴに入れるために、抱きかかえようと近づいたとたん、 
今まで聞いたことないような声をだして威嚇してきた。 
その瞬間、親父が床にどさっと倒れこんで動かなくなった。 
パニくる俺。



660 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/09/04(日) 16:46:16.81 ID:ExPMl9wD0 [1/1回(PC)]
中断ごめんスマホから>>650のつづき 

猫はその間も、毛を逆立てながらこっちを威嚇してた。 
大人の男性が出すような野太い声で、 
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん」 
って吠えてるのでめちゃくちゃ怖かったけど、なんとか俺が捕まえてカゴに押し込めた。 
抱きかかえたときに、目が真っ赤に光ってるように見えたけど、多分恐怖のために混乱して見えた錯覚だろうと思ってた。 
カゴに入れたら、猫はあきらめたのか大人しくなった。 
その直後、親父もすぐに目を覚ましたので、倒れたときの状況を聞いた。 
親父が近づいた瞬間に猫の目が赤く光ったかと思うと、 
下半身の感覚がなくなって倒れこんだ後、金縛りにあってたらしい。 

結局、車で1時間以上かかる山にキャットフード1箱分ばらまいてその猫は置いて来た。 
霊感ない俺の唯一の不思議体験。 
おわり。