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遺伝とは怖いもので、デブのおれの娘も小学校高学年になると 
太ってきた。 
ダイエットもかねて、近くの山に2人で登ることを、毎週おこ 
なうようになった。頂上まで1時間すこしかけて登る。 
こんなことを数カ月して、俺の腹も、娘もすこし鍛えられてきた 
3月の末ごろ。うるさいくらいのウグイスの声を聞きながら下山 
していると、娘が「○○テレビしようよ。」と言ってきた。
○○テレビとは、地方局のテレビCMっぽい口調でチープなCM 
を即興で考えてしゃべること。 
暇なとき車で見える看板の店や会社のCMを即興でやるのだが、 
妻は、「また始まったの。」とあきれ顔。しかし、なぜか娘は大好 
きで、上手に合いの手を入れるようにもなってきていた。 
まあ、遺伝とは恐ろしいものですな。 
ホントにバカみたいな、他人から見たら何が面白いのかわからな 
い遊びなんだけどね。 

「お題は?」 
「じゃあ近所にできた紳士服のシマダ」 
「男の色気は身だしなみから、あなたのファッションをリードす 
 る紳士服のシマダ。2パンツセットで19800円から。 
 紳士服のシマダはフレッシュマンを応援しています。」 
 で、娘が「今ならブライダルフェア実施中。」と締めた。 
「紳士服でブライダルフェアはおかしいやろ。」と娘と笑いあった。

「次はオレな。お題は仏壇仏具の木村屋」 
「どこいいくの?」「木村屋」 
「おきにいりは?」「木村屋」 
「葬儀のことなら?」「木村屋」 
「仏壇仏具は?」「木村屋」 
「なんでもそろーう、木・村・屋~。」 と娘が言った後、自分たち 
の右手の林から 
「ブライダルフェア ジッシチュウ!!」 
という声が聞こえてきた。 
かわいいが、気味悪い。何というかインコの鳴きまねのような声。