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でも正直に言うと非現実的な感じがして、普通にこんな事言ったんだ 
「なら逃げればいいんじゃない?金払うと思えば遠くへ行けるし」 

そう言ったらまた泣き出す 
再婚相手は母親にも暴力振るうらしくて金を払わなかったら母親に八つ当たりするらしい、確かにそれは可哀相だが、自殺する事と比べたらどうだろうかと思う  

で、この後言った一言が不用意だったんだよね、今更だけど 
「俺だって死にたくなる事あるけど、頑張ればどうにかなるよ」 
そう言った瞬間そいつパーッと明るくなってさ、凄い笑顔で見てくるんだよ 
多分仲間がいたとか思ったんだろうか 

で、その時は元気になったと思ったからそのまま帰したんだけど、次の日から怒涛の押しが始まった 

まるで見張ってんの?って言いたくなる位に鉢合わせる、まあ普通に会って軽く話す分はいいんだけど、何かいつもニヤニヤしながら話しかけて来るから、正直気味悪かった 

で、初めて話した日から一週間位した時かな、また鉢合わせて、軽く話してたら「日曜に家にきませんか?貰い物のお菓子があるから」って言われて、予定は無いし、しかも聞いたら好きなお菓子だったから了解したんだよね、現金な奴で申し訳ない 

で、日曜に初めて部屋に上がったんだけど、綺麗というか見事に物が無い 
家具すらほとんど無くて食器も台所にタオル引いて逆さにした分だけ 
あったのは炊飯器と冷蔵庫と扇風機と布団と折りたたみ机がある位だった 

でも巻き上げらる話聞いてたし、気にしない事にしてお菓子を頂いたんだが、何か様子がおかしいんだよね、挙動不信というか 
余りに変だったから「どうかした?」って聞いたら、いきなり訳分からん事を言い始めた 

「いや、○●さんはどんな風に死にたいのかなと思って」 

何言ってんだ、コイツと思って「死にたいって何?俺そんな事言ってないよ?」て言ったら、涙目でキチガイになったみたいに叫び出した 

「死にたくなるって言ったじゃないか」みたいな事ずっと叫んでた 
で、その瞬間「何かヤバイな」と思ったから素早く玄関に走ったけど、用意周到にチェーンみたいなのを付けてたから開けるのが遅れたんだ 

ガチャガチャしてやっと開いたと思って外に飛び出す時にふとそいつ見たら充血した目で凄い睨んでた、左手は見えなかったけど、何か持ってた感じだった 

本当に怖かったのはその後なんだけどね 

で、家に帰ってしっかり鍵閉めて気を張ってたんだけど何事も無かった 
まだまだ気は張ってたんだけど、戸締まりは万全だったから布団に入ってたら、いつの間にか寝てたんだよね 
で、夜中に「ゴッ」て音で目を覚ました。 

その時はまた隣かなって思ったけど、今回は気にしないようにしようって思ってまた寝たんだ 

そしたら朝方、玄関のドアをノックする音で目を覚ました