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 友人のもとへ、ある男が「宗教の勧誘」にやってくるらしい。 
男はさんざん天国の話を聞かせた後、「神の言葉」といって「意味不明の句」を唱えだした。 

それは「スマリエカー、ヘニクノミカー、ハシクタワー」というものだった。 
友人は穏やかな性格だったが、さすがに気味が悪くなり、その男を追い出したらしい。 

しかし、翌日も、その翌日も男は勧誘にやってきたそうだ。 

その都度、あの「意味不明の句」をしつこく唱えていたらしい。 
ポストにも、その「句」が書かれた紙が入っていたという。 
そんな相談を受けた俺は、警察へ届けるようにアドバイスした。 

滅入っているのだろう。こっちの話を聞いているのか、いないのか……そんな様子だった。 
しかし、残念ながら友人はその日の夜に、自室で首を吊って自殺してしまった。 

遺書にはただ「わたくしは神の国へ帰ります」と書いてあった。