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小中学校時代、辺鄙なところに小さな住宅街と5階建てくらいのアパートが建ってる地域があり 
同じ学区ということで、そのエリアからも数人が登校していた。 
たまたま同じクラになった女の子も、そのエリアに住んでいた子だった。 
今思い返すと、顔立ちから半島の人だと思う。 
他の地域から登校して来る子にも半島の人が数人いて、通名ではなく本名だったし、全く抵抗も 
なく、普通に遊んでいた。 

それから十数年 
同窓会があるということで久々に卒業した学校付近へ行くことに 
俺は前日入りして、レンタカーを借り故郷をぐるっと回ってみた 
子供の頃は広く感じた世界だったが、今になって巡ってみると、あっと言う間に見終わるほど狭い地域だ。 
俺も小さかったから、こんなもんか・・・なんて思いながら走っているが、ただ、前述したその子の住んでた 
エリアがどうしても見つからない。 
このときに限って気になって仕方がなかったため、公園の駐車場に車を止め、歩いて学校まで行き、 
そこから記憶を辿ってあるいてみたが行き着かないのだ。 
校門を出て右左、ここがクラスで一番可愛かったこの家(があった場所)、ここに駄菓子屋(クリーニング店に)、 
この小さな公園を過ぎてしばらく歩いて、左に曲がってまた歩けば・・・・・ 
と思ったら、小高い丘に突き当たり、昔住宅があった面影すら無い場所になってる。 
建物は新しくなってるが、住宅地の道路だし幅員が少し広くなった程度で、記憶に間違いは無いはず。 
3往復ほどしたが、どうしてもたどり着かないし、レンタカー返す時間もあったことから引き返すことに。 

で、その夜(同窓会の前の日)は、幹事連中が気を利かせてくれて、県外転出者の数人に声をかけ 
プレ同窓会を開いてくれた。 
当時付き合ってた彼女も来て、飲んだくれて昔話に花が咲き 
楽しい時間をすごした。 
見つからないエリアの件は気になったが、話題が多すぎて話すチャンスも無く結局聞けないまま 
その日は終了した。 

同窓会当日 

午前中は時間があったため、どうしても気になったあの地へタクシーで学校まで向かい、 
そこから再度歩いてみるが、やはり小高い丘に突き当たって終わる。 
小高い丘は鬱蒼とした雑木林で高さも10数m程度か? 
難無く登れる高さだが、工事予定のためか周囲に柵があり入れない。 
付近を歩くと、丘の上には白い古びた平屋っぽい建物が見えた。何かの管理棟かな?? 
丘の上に建物が建ってるし、やっぱりここは最初から丘で俺の記憶違いなのか・・・ 
と思いつつ、モヤモヤした気持ちを引きずりながら、タクシーを呼び繁華街へ戻った。