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夢だったのか、と思った 
怖い夢を見たんだ、と 
でも、あまりにもリアルすぎて怖くて 
そして、ひどく罪悪感があって、誰にも話せなかった 
嫌いとまでは行かなくても、好きじゃないと思っている子が 
車に轢かれて死ぬ夢なんて 
たとえ夢だとしても、自分が悪いような、そんな気がして仕方が無かった 
次の日に、自宅に帰ったと思う 
伯父の家からうちは車で1時間くらいで近かった 
家に着いたときは、まだ明るかったように思う 
家に着くとなぜか近所が騒がしく、すぐに母が外に出て行った 
そして帰ってくるなり 
今度は父と二人、黒い服を着てまた出て行ってしまった 
自分は姉と二人で家で留守番することになった

本当に、その子が亡くなっていた 
家の前の道路で車に轢かれたらしい 
その日はお通夜だった 
次の日の葬式にも両親は参列し、自分たちは留守番をしていた 
夢のことは、やっぱり誰にも言えなかった 
怖くて仕方がなかったんだ 

その後、道端にその子の親御さんがお地蔵様を建てた 
その場所は、自分が夢で見たその子が轢かれた場所の 
真横だった