640 : 金土日 ◆B/2ch/ss26 [sage] 投稿日:04/08/16 23:06 ID:m17mKrjq [1/2回]
学生時代の話。
期待に胸を膨らませて地方の駅弁大学へ入学した。
周囲は知らない人ばかり。そんな中でひょんなところで最初に知り合ったのがシンジだった。
シンジとは結構馬が合って、授業が終わっても一緒に遊んだりしていた。
とはいってもあまり恵まれた環境ではなかったみたいで、
服はチェックのシャツを数枚持っているだけで、夏も袖をまくって着ていた。
ただ、汚らしいイメージはなくて、男性にしては珍しくアイロンがけとかしていて
それなりに清潔な身だしなみだった。
シンジの下宿にも何回か遊びに行った。
古ぼけた下宿の4号室。半畳の土間の横は作りつけの箪笥。
部屋は4畳で狭かったが、いつも几帳面に片付けていた。
「俺ってあんまり恵まれてないからさ、狭い下宿でゴメンね」と
すまなそうな顔を彼がするたびに気まずい気持ちになっていた。
3年の終わりから暫く個人的な問題で気が滅入っていて、
正常な思考が出来なくなっていたが、なんとか4年に進級して、
学校にも通うことが出来た。
何故かシンジは来ていない。4年になって殆ど単位を取得したのかな、と
思いながらシンジの消息を聞いた。
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