会場は所狭しと出店が並んでいて、普通であれば真ん中には櫓が組まれているはずなのにそれは無く、ひな壇みたいなものがあってその上で太鼓と笛が小気味良い音を奏でてる。
そのひな壇の近くにお神輿が大小二つあって大きいほうは15人くらいで持つ奴で、小さいほうはその気になれば一人でも担げるようなミニ神輿だった。
なんだあれはと思っていると法被を来た子供たちが、どこからともなくわらわらと俺たちの周りによってきた。
総勢で20人くらいいたのかな?
高学年の子も低学年の子もいてみんなニコニコしてるんだけどみんな法被の色は紺色だった。
「俺達と法被の色が違うね?」というと高学年ポイ子に「おにいさんだからだよ!」と言われた。
俺より高学年ポイけど違うのかなって思ったんだけど、まぁいいやって思って、子供みんなで遊んでた。
出店に行くとお金はいらんからって何でもくれる気前のよさ。
俺たちも他の子供もわたあめ食べたり、射的したりで存分に遊ばしてもらった。
大人はというと遠巻きに子供たちを眺めながら酒を飲んでいる。
しばらく遊んで、頃合いとみたのかさっきのおじさんが中央のひな壇の上で大きな声でしゃべり始めた。
一斉に止む笛の音や太鼓の音。
「それではおにいさん祭りを開催します!!」という声と共に歓喜の声。
大人も子供も。
俺たちも訳も判らずはしゃいでる。
子供たちは全員がそのおじさんに連れられてさっきの神輿があったところに。
町の子供たちはあらかじめ場所が決められていたかのように大きな神輿の回りに順序良く整列した。
この神輿はスゴくキラキラしていて装飾がすごい。
もちろん子供が持てる大きさなので、テレビなんかで大人が担ぐ神輿に比べればたいしたことはないが、一見して豪華だということは子供ながらにも判った。
俺たち三人はどうすればいいのか判らないのでマゴマゴしているとさっきのおじさんがやってきて「ほら、君たち三人はこの小さい方を担いでね」と大きい神輿のすぐ近くにある小さい神輿を指差した。
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