2017年09月

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    そして五歳児、つまり年長組になったころから、
    ようやく友だちの輪にも入れるようになり、毎日だんだんと笑顔が増えていった。 
    そんなおり、ある週末にお祖母ちゃんにつれられて、
    買い物に行こうとしていた時、歩道に乗り上げてきたダンプカーに二人とも跳ねられてしまった。 
    居眠り運転だった。お祖母ちゃんの方は助かったが、
    ちかちゃんは内臓を深く傷つけていて、治療の甲斐なく亡くなってしまった。 
    当時担任だったという先輩の保育士からそのことを聞いて、とても胸が痛んだことを覚えている。 
    由衣先生は緊張して、

    『ちかちゃんのお父さんですか』

    と言った。男性は静かに目礼して、懐からぬいぐるみを
    取り出した。 
    小さなクマのぬぐるみだった。

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    立ち去った時の足跡もないのなら、その後で雨によって消されたということになる。
    しかし魔方陣は消えていない。 

    「やっぱりおかしいですね」 

    雨が止んだ後で魔方陣を描いたのなら、そのイタズラをした誰かは
    どうやって足跡を残さずにその場を去ったというのか。 
    写真を見る限り、魔方陣は園庭の中ほどにあり、園舎からもフェンスからも花壇からも、そして門からもかなり離れている。 
    一番近いフェンス側でも恐らく十メートルはある。とても一飛びに飛べるような距離ではない。 

    【【恐怖体験】トンボ 中編】の続きを読む

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    土曜日の昼ひなか、僕は繁華街の一角にある公衆電話ボックスの扉を開け、中に入った。 

    中折れ式のドアが閉まる時の、皮膚で感じる気圧の変化。
    それと同時に雑踏のざわざわとした喧騒がふいに遮断され、強制的にどこか孤独な気分にさせられる。 

    一人でいることの、そこはかとない不安。 

    まして、今自分が密かな心霊スポットと噂される電話ボックスにいるのだという意識がそのなんとも言えない不安を増幅させる。 
    夜の暗闇の中の方がもちろん怖いだろうが、この昼間の密閉空間も十分に気持ち悪い。僕は与えられた使命を果たすべく、緑色の公衆電話の脇に据え付けてあるメモ帳に目をやる。 

    メモ帳は肩の部分に穴があけられていて、そこに通した紐で公衆電話の下部にある金具に結び付けられている。

    紐を解き、メモ帳を手に取る。何枚か破った跡もあるが、捲ってみると各頁にはびっしりと落書きがされていた。
    僕は頷いて、財布を取り出すとテレホンカードを電話機に
    挿し込む。 

    【【恐怖体験】トンボ 前編】の続きを読む

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    筑紫野有料道路が開通して数年後の話だが深夜時頃に筑紫野有料道路から県道31号を使って佐賀市内の友達の家に向かっていた。 

    深夜だしそこそこスピードを出して走っていると急に道に人が飛び出して来て急ブレーキとハンドル回避でどうにか轢かずにすんだ。

    【佐賀市内の友達の家に向かう途中に事件が】の続きを読む

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    母と二時間ドラマを見ていて 

    「お手伝いさんの名前って大抵○○やねえ」と言ったら、母が 

    「そういやママが子供のころにいたお手伝いさんの一人も○○ちゃんやったわあ」 

    「お手伝いさんなんていたの!?」 

    つい今の時代と照らし合わせて驚いてしまったけど、 

    大金持ちというわけでは無いけど、戦前から田舎町の名士という感じの祖父母の家は大きく、お手伝いさんがいても不思議ではないことなのかもしれません 

    【【切ない体験】帰って来たお手伝いさん】の続きを読む

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    オヤジが小さい頃の遊びといったらメンコが大ブームで、オヤジも色とりどり様々なメンコを集めていたが、腕はからっきしだったとか 

    あるとき、同じ町内のA君に惨敗し、彼に頼み込んで特訓を受けた
     
    勉強そっちのけで血の滲むような練習を重ねたところ、かなりの上達を遂げ気がつくとオヤジは近所でも名うてのメンコ名人になった 
    師匠であるA君までもがライバルと認め、二人の直接対決は町内の子供たちがみな観戦に集まる名物となっていた 

    星取は一進一退でなかなか決着はつかなかったとか 

    しかし、A君は父親の仕事の都合で東京に引っ越してしまった 

    【【切ない体験】A君とめんこ】の続きを読む

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    俺が小学生の頃、近所に百年近く続く小さな銭湯があった。 

    まあ老舗とはいえ時代の流れか、客入りはそれほど良くなかった。 

    俺の爺さんはたいそうお気に入りで、その銭湯に通うのが楽しみの一つだった。 

    何の前触れもなくポックリと死んだが、その前日も通っていたくらいだ。 

    ある週末の夜、親父に銭湯に連れて行ってもらった。 
    服を脱いで勢いよく浴室の扉を引くと、驚いた。 

    【【不思議体験】満員の銭湯】の続きを読む

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    私は防音設備の全然なってない某有名なマンションに仕事の都合で住んでるんですけど。 

    住み始めてから数日たった頃、奇妙な夢をよく見るようになりました。 

    黒いキャミソールを着た20代後半ぐらいの黒目が異様に大きい女性が出て来る夢です。 

    女性の特徴として体型は痩せ型(少しやせ過ぎなぐらい)、髪はショートで黒に近い茶髪な感じです。 

    夢の中で私は部屋の中央に立っていて、女性は玄関から少しづつ近づいてくる、と言うよりも寄ってくる感じでした。 

    【【恐怖人間】夢の女性と暮らしていきます】の続きを読む

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    恐らく、場所が起因した事例ではないと思うが自分が小学生の頃担任の先生から聞いた話 

    その先生(女性)が小学生だか中学生だか(自分が覚えていない)の時に宿泊した 

    【九州の黒○少年自然の家】の続きを読む

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    鹿児島出身の祖父(故人)から聞いた話をひとつ置いて行かせて下さい 

    祖父は某漁師町(イリノ、という名前を聞いたのをぼんやり覚えています)の網元の出身で子供の頃から海で遊んだり魚を獲ったりして、海に慣れ親しんで大きくなったそうです 

    ある夜、じいちゃんが家で寝ていると、夢の中でひっきりなしに誰かが呼ぶ声がしたそうです 

    で、放っておくのもアレなので、ひとまず応じてみる事に 

    じいちゃん「誰だよ、こんな夜中に…」 

    夢の人「申し訳ない、すぐに来て欲しいんだ」 

    【九州の今は長崎鼻にいるんだ】の続きを読む

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