俺はいつも海水浴場から少し離れたテトラポットの周辺を釣り場にしていた。 その日は薄曇の日で泳ぎに来てる人は殆どいなかったけど、一人だけやけに遠くを泳いでるのが見えた。 波が立つ度に覗く頭や手足を見て、それが友人だと分かった。 ...
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2019年01月
【不思議体験】ホロホロ鳴く声に違和感を覚え何の気なしにベランダへ意識を向ける
私は所謂「見える人」だ。と言っても「見える」「会話する」くらいの事しか出来ないが。 私が体験した中でなかなかレアなものを一つ。小学校4年生くらいの頃の話。 古都に越してきて1年ほど経った時分。夕方、学校から帰ってドラゴンボールの再放送を鼻息荒く見ていた。 ...
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【恐怖体験】踏み切りの向こうに女の子の頭がチラチラと見えた
友人と一緒にカエル捕りに行き、俺達は狭い踏み切りで足止めされてあのカンカン言う音を聞いていた。 友人はとにかくバイトをいくつもいくつも掛け持ちしていて、パン工場や印刷工場、 洗濯工場に清掃と、その時々で時給や日給の一番良い物を厳選していたのだけど、 それ ...
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【不思議体験】土着神は縄張りを見張って家神は血を見張る
神棚がある家は沢山あると思う、あそこには律儀にちゃんと神様がいて私は家神様と呼んでる。 他に土地神様がいて、土着神さまなんて大層なものではなく個々に縄張りがあるよ的な考えでいい。 当たり前だけど土地のうえに家を建てるから、家神様と土地神様は提携を結ばなけ ...
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【恐怖体験】種(しゅ)として絶滅を避けるために実らない種(たね)をばら撒き続けている 後編
僕は師匠に続いて部屋の外へ出た。そしてボロ軽四の助手席に滑り込む。外は暗かった。月明かりが雲に半分遮られている。車を発進させながら、師匠は言った。 「感じたのか」 「はい」 「これは霊感じゃないぞ」 霊感じゃない? そう言われて、腑に落ちるものがあった。 ...
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【恐怖体験】種(しゅ)として絶滅を避けるために実らない種(たね)をばら撒き続けている 前編
僕はオカルト道の師匠から頼まれて、現像された写真を受け取りに行った。 店舗にではない。普通のマンションの一室にだ。表札もないその部屋のドアをノックすると、しばらくして中から返答があった。 「なんだ」 わずかに開いたドアの隙間からチェーン越しに、陰気な肥満 ...
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【切ない体験】ひとりぼっちを持ち寄ってひとときの幸せを共有していたのだ 後編
依頼人は俯いてそっと息を吐いた。まるで凍えているような口元の動きだった。 話が終わったことを確認するためか、師匠はたっぷり時間を開けてから口を開いた。 「お祖母ちゃんではなかったと?」 「はい」 声が震えている。 「棺おけの中にいたのは、祖母ではありませ ...
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【切ない体験】ひとりぼっちを持ち寄ってひとときの幸せを共有していたのだ 前編
その女性は五十代の半ばに見えた。 カーキ色の上着にスカート。特にアクセサリーの類は身につけておらず、質素な装いと言っていい。 「こんなお話、していいのか…… ごめんなさいね。でも聞いていただきたいんです」 癖なのか、女性は短くまとめた髪を右手で押さえ、話 ...
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【恐怖体験】あの時の犬なんじゃないか?
やっと自転車の補助輪が外れたぐらいの歳に近所の2つ上のAに誘われて 近所の山に遊びに行った時の話。 ...
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【不思議体験】近所のじいさんがきのこ狩りに行った時心臓麻痺で亡くなった
昔家の近所のじいさんがきのこ狩りに行った時、心臓麻痺かなんかで亡くなったらしい。 たまたま近くで山仕事してた人達に見付けられ救急車で搬送されたが駄目だったらしい。 ...
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