当時俺はマンションの一階で一人暮らしをしていた。
ある日、管理会社の担当から電話がかかってきて
「夜中に子供がうるさい、と苦情がきたんですが……あの、お一人で住んでらっしゃいますよね?
結婚して子供ができたとか、そういうこと、ないですよね?」と聞かれた
当然、子供なんかいないし、そもそも彼女もいないですよ
何なら今日みにきますか、って言うと「ですよねぇ~」といわれた。
ところが、しばらくしたらまたそいつから電話がかかってきて
「やっぱり、毎日夜中2時過ぎに子供が騒ぐ声がするって苦情がきたんですが……」というので
「それ、本当にウチなの?上(3階)じゃないの?」と言ったんだが
「いえ、下の階からと言われたので……」といわれる。
ちなみに小さなマンションで、各階2部屋しかなく
101は独居老人、102は俺
201は空き家、202が髭生やしたガタイの良い男(←苦情の主)
301は母子家庭で子供が1人、302は夫婦2人暮らし、という感じなので
子供の声がする、というと301しか考えられない
でも、よくよく話を聞くと、301の子供は既に小学5年生だが
夜中に聞こえるのは赤ちゃんのような泣き声とどすんどすんと走り回る音らしい
そうなると301も無し、となってくる
一体何が聞こえているのか、と不思議に思って、一度夜中までおきていたのだが
2時すぎても3時過ぎても子供の声なぞ聞こえてこない
ああ。上の階に居る奴の幻聴か何かなのかな、と納得してキ○ガイが上に住んでいるなんて面倒だから、さっさと引っ越すか、と思った。
ちょうど年末近かったので実家に戻った時
両親と祖母が居る前でこの話をしたら、婆ちゃんが
「そりゃ、赤ちゃん引き摺ってるんだよ。どっかの女に始末させたんやろうねぇ」と言った。
その話事態が事実かどうかすらわからんが本物の幽霊なのか、それとも子供を始末させた良心の呵責なのか、どっちかなのかもしれん。
できたら後者であってほしい。