現役時代の王貞治、長嶋茂雄は、その実績・カリスマ性により、選手は勿論審判まで特別扱いしていた、というもの。

きわどいコースのボールを王が自信満々に見逃した場合、

「“世界の王”が見逃したのだから」

と、ボールと判定される例が多かったとされ、「王ボール」とも呼ばれた。

審判員の田中俊幸は著書で「王(長嶋)ボール」の存在を否定している。

また、打席で違和感を覚えた王にバッターボックスからピッチャープレートまでの距離を計測するように頼まれ、審判団も王の要望であることからこれを無視することができずに計測を実施したという逸話もある。

長嶋が監督の時代、彼がどんなに激しい抗議をしても絶対に退場処分にしてはいけないという暗黙のルールがあった、という説もある。

長嶋が監督時代

「裁定を不服として選手全員を数十分に渡りダグアウトに引き上げさせた(1996年5月1日・対中日戦)」

「球審・谷の帽子をつかんだ(2001年6月30日・対広島戦)」

など、通常の監督であれば間違いなく退場や没収試合になる行動に及んでいながら、どちらも特に処分が降されていない点も、この都市伝説の信憑性を高めている。

「王ボール」の対極の意味で「稲尾ストライク」・「江夏ストライク」が語られる場合もあった。