140 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:00:57 ID:giv11fwTO [1/3回(携帯)]
-①- 
私の知り合いで◯◯県出身の実在する男性の、高校三年生の頃の実話。 
~~~ 
夏休みも終わりに近づく頃、ある蒸し暑い夜の事。当時その街にコンビニは2軒しか無く、 
どちらも夜中には不良っ気のある連中のたまり場所となっていた。 
その日も、彼は友人の車に同乗し、仲間3人で夜のドライブを楽しんだ後、 
行きつけとなっていたコンビニへと向かっていた。 

毎日の様に通るコース。新しくできたバイパスを通れば、ほぼ一本道でコンビニまで行けるのに 
その日は何を勘違いしたのか、山の中を通る旧道を選んでしまった。 
しかも霧が出て視界も悪い。 
彼も、友人も、運転している友人も、道を間違えた事は解っていたが、 
道を戻る気にもならず、その事をとがめる気も起こらなかった。 
後からすればそれ自体、かなり不自然な事であったという。 

灯りもなく霧も出ている山の車道。見通しも悪い。遊び疲れも有ったものの 
誰も一言も無く車は走り続ける。 
この道を選んだからには山を一つ二つ越えてかなり大回りして街の反対側に 
出なければならない上、走り辛い道なのだ。 

やがて車はT字路に差し掛かり、停止線で停まる。普段ならこんな、車の殆ど全く通らない所では、 
減速はしても律儀に停止線を守る様な奴では無いのに、停車したまま発進しようともせず、 
アイドリングのまま黙って前方の壁を見ている。 

こんな時普通なら文句の一言も出てすぐに走り出すのだろうが、なぜかこの時は 
3人共停車した車の中で黙って座っていた。 

しばらく経った頃、目前の道路の左から結構なスピードで車が走行して来た。2台だ。 
先頭は真っ赤なマイティーボーイ。そのすぐ後ろにはピッタリ張り付く様にハイビームの白いシビック。 
どうやらシビックがマイティーボーイを煽って追いかけている様だ。目の前を通り過ぎて、その様子が見てとれた次の瞬間、 
もの凄い衝撃音を立ててそのまま路肩の電柱に2台共突っ込んだ。事故だ。 
<続く>

 
141 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:04:50 ID:giv11fwTO [2/3回(携帯)]
続き 
-②- 
シビックと電柱に挟まれた真っ赤なマイティーボーイは運転席の辺りが酷く潰れてしまった。 
「すげぇ、事故だ」 
「うん、ひでぇな」 
「ああ」 
友人はそのまま車を発進させた。 
T字路を右折してすぐに事故車の辺りに差し掛かる。 
飛び散ったガラス片等、ジャリジャリとタイヤで踏みつけて事故車の真横を通る。 
ゴトッ、ガタタッ、その時怪しい音を立ててうごめくモノが。 
潰れたマイティーボーイの運転席から、血まみれの中年女性が身を乗り出して来た。 
女性は無表情のままこちらを見るとニタリと笑い首をかしげる様にしてそのまま首が地面に落ちた。 

「うぉ、首もげたぞ」 
「ああ、凄い事故だな」 
「うん、」 
この様な一言二言は交わしたものの、救助を試みるでも無く通報する為に電話ボックスに向かうでも無く 
3人共ほぼ無言のまま車を走らせた。 
やがてコンビニに到着した3人は同じ学校の仲間を見つけると、 
今見て来た事故の事を話して聞かせた。 
仲間に説明している内に、自分達の行動や感じ方が凄くおかしかった事や、目撃した事故そのものが 
不自然でおかしい事に気づいて来た。 
第一マイティーボーイなどという車種自体、当時既に殆ど走っていない車なのだ。 
少なくとも自分達の生活圏内では全く見なくなっていた車だ。 
話しを聴いた仲間達も頭から嘘話しだと決めてかかる者はいなかった。 
ただあまりにはっきりと3人揃って「見た」話しなので、 
幽霊にせよ本当の事故にせよ現場を確認したくなったのだ。 
しかし当の3人は話してる内にすっかり怖くなってしまい、 
気分も悪くなりもう一度見に行く気には全くなれない。 
そんなやりとりをする内、「万が一本当の事故だった場合、通報しなければならないし」という理由で、 
結局車4台連なって現場まで見に行く事になった。 
<続く>



142 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/07/12(土) 20:09:46 ID:giv11fwTO [3/3回(携帯)]
続き 
-③- 
が、しかし、目撃した現場には生首どころか事故車も破片も事故の痕跡も何一つ無い。 

「車無いぞ」 
「何の跡も無いぞ」 
「確かにここなのか?」 
「ああ、間違い無い」 
「おかしいな」 
「やっぱり幽霊なのかな」 
「うん…」 

車4台を路肩に停めてそんな話しをしてる内に、誰かが 
「女の泣き声が聞こえる」 
「いや叫び声だった」 
などと言いだし、皆怖くなりその場にいられなくなりそれぞれの車に逃げ込みそのまま帰る事に。 
元々の目撃3人組は、その夜からそれぞれ熱を出し数日寝込んでしまった。 
そして夏休み明け。学年ではその目撃の件が完全に幽霊話しとして持ちきりになっていた。 
3人は女子達や、普段は話した事も無い様な連中からもしつこく詳細を尋ねられ、 
体調もまだ完全では無いのに、ホトホト嫌気がさしていた。 
そんな中、同じクラスの一人の女子がキツい表情で近づいて来る。 
「本当に霊が視える」とされて、女子達や一部の男子から崇める様にされている、神社の娘のあいつだ。 
「あんた達、ホントに見たみたいね。」 
「暫くすれば大丈夫みたいだけど、もうその場所には行っちゃダメ」 
「後、もうその話しは絶対人に話してはいけない」 
「聴く人によっては影響を受けるわ」 
「最悪同じモノを見るか事故に遭うわよ」 

…それ以来その彼は、その話しを一切誰にも 
していなかった。 
約◯◯年後、私に話して聴かせるまでは。 
<終わり>