112 : 本当にあった恐い名無し[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 22:57:11 ID:tlCk4sQd0 [1/3回(PC)]
俺の家には毎週土日になると決まったメンバーで集まってよく遊んでいたんだ。 
お互い社会人になったり、大学生になったりしていたが、 
あまりプライベートな事は聞かないのでどんな会社や大学に行っているかは 
知らず、かく言う俺も知らなかった。 

そんな調子で集まり始めてから、一年半ぐらいがたったある日のこと。 
いつもはバイトで家にいない俺が、めずらしく夕食を家族でとっていた時に、 
親父が俺に話しかけた。 

「おまえ、よく遊びに来る白い車に乗った女の子がいるだろ?」 
「うん、いるよ」 

その子は俺の中学校時代の友達の友達で、よく土日に家に来るメンバーの一人だった。 

「その子、「○○○○」て会社に勤めてないか?」 
「え、何で知ってんの?」 
「いや、誰かに聞いた」 

俺はその時、親父の言葉は半信半疑だった。 
息子ですらよく知らない友人の勤め先を、親が知るわけが無いと思ったんだ。 
とりあえず、俺はその子と仲がいい男友達に連絡を取ってみた。 

「お前さぁ、××さん(女の子の名前)の会社名って分かる?」 
「いや、知らないけど。たぶん誰も知らねんじゃね?だって、誰も聞かないし」 
「だよねー」 
「本人に聞いてみたら?」 
「そうすっかー」(続く)


113 : 本当にあった恐い名無し[sage] 投稿日:2008/08/21(木) 22:58:56 ID:tlCk4sQd0 [2/3回(PC)]
(>>112の続き) 
やはり、俺の友人は知らなかった。そもそも、その子が住んでいるところは2つ隣の市で 
東北の田舎では、30分もかかる場所にあるのだ。 
親父もその子も挨拶ぐらいしか会話したことが無いので、会社名を知っているはずがないのだ。 
真偽を確かめるべく、俺はその子に電話した。 

「あ、××さん?いきなりな質問なんだけどさぁ、勤め先の名前教えてもらっていい?」 
「え?「○○○○」だけど?どうかしたの?」 

俺は耳を疑った。その名前は、親父が出した名前と全く同じだったのだ... 

「え...うちの親にそれ話したことある?」 
「ないよ...なんで君の親が知ってんの?」 
「俺もわかんない!」 
「えぇぇ!?」 

その後、他の友人にも聞いて回ったが誰もその子の勤め先を知らなかったのだ。 
親父が俺の友人以外に情報を得ることができるわけがない。 
個人情報でも流れているのではないかと思い、首を捻っていると不意に親父が呟いた... 

「あぁ、あの子見たときに、ふとそう思ったんだった」