134 : 1/3[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 23:35:16 ID:X1AJxGlo0 [1/3回(PC)]
地方新聞の支局に勤めていた方から聞いた話です。 

新聞社にもたまに変な人が来るそうです。 
どう変かというと、「あの事件の犯人は自分だ」と主張するそうです。 
いまだに「3億円事件の犯人は自分だ」と言ってくる人や、すでに犯人が逮捕された事件 
の犯人は冤罪で自分こそが真犯人だと言う人までいるそうです。 

ある日、人を殺したと自称する人が来たそうです。 
それはバラバラ殺人で、遺体を風呂場で切断したとか公園のゴミ箱に分散して捨てたとか 
という話をし始めました。 
ただ、その記者さんがいたのは田舎の県なので、そんな事件は過去十数年間にも 
なかったはずなのです。 
そのへんを問いただしてみたところ、この県での話ではなく 
東京での事件という話でした。 
なぜこんな田舎まで来て、そんな話をしようと思ったのか、と聞くと 
都会では“監視の目”があるからダメだ、と言いました。 
記者さんは、ああ来た来た、やっぱり頭オカシイ人だと確信し、早く話を切り上げよう 
と思い、矢継ぎ早に質問をすることにしました。 

「なぜ殺したのか」→「死んでしかるべき人間だからだ」 
「それはどういう意味か」→「それは言えない」 
「なぜバラバラにしたのか」→「わかる人にはわかる見せしめの方法だ」 
「わかる人とは誰か」→「それは言えない」 

という感じで、イマイチよくわからないうえに突っ込んで聞くと「言えない」 
の一辺倒になるのです。

 
135 : 2/3[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 23:36:01 ID:X1AJxGlo0 [2/3回(PC)]
それに、なぜ自首しないのかと聞くと、「はっ(薄笑)警察なんか意味がない」 
と心底バカにしたように言うのです。 
ではなぜここに来て話そうと思ったのかと聞くと、少しの沈黙があった後で 
「せめて誰かに聞いて欲しかった」 
としみじみと言うのです。 
もう完全に訝しげにしている記者さんの態度を感じて、その男は 
「忙しいときに時間を取らせて悪かったね…」 
と言い、帰っていきました。 

キ○ガイには困ったもんだな、と思いながらも、内容があいまいすぎるので 
特に気にも留めていませんでした。 
ところが、一週間後、その自称犯人と予期せぬ形で再会することになりました。 

身元不明の溺死体があがったとの報せで取材に行くと、 
死体はあの自称犯人の男でした。 
あの日と全く同じ服装だったのです。 
調べによると身元がわかるようなものが何もなく 
後日、行方不明者などと照合してみても該当する人がいないため 
結局、身元不明者が誤って川に転落して死んだ事故死として 
処理されました。



137 : 3/3[sage] 投稿日:2009/08/04(火) 23:36:54 ID:X1AJxGlo0 [3/3回(PC)]
その記者さんは 
「今でもその溺死は99%偶然だと思っている。 
でも、万が一“監視の目”っていうのが本当のことで 
我々のあずかり知らない闇の社会があるのではないかと思うと 
『その男は一週間前にウチの社に来ました』、とは警察に言えなかった」 
と言っていました。 

僕もこの話を聞いて、本当に何かの陰謀があったのではないか 
と思い、なんだかゾッとしました。