341 : 1/6[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:17:54 ID:xvC9DHI00 [1/6回(PC)]
(女子)と俺の体験談です 

友人(以下A) スペック詳細 

・ぶっちゃけ天才肌。テストではロクに勉強もしないで最高点を叩き出し、部活でも全県ベスト8レベル。毎年ピアノ伴奏もやっていて、手先も器用…
 かと言って努力は全然してない。 
・自分のことを名前で呼ぶ。性格最悪。 
・結構可愛い。長めの髪をツインテールにしてる(昔かららしい) 
 身長がかなり小さく、本人はすごい気にしている。 
 アニメ声。喋り方はすげぇ変。ドS。 
・ねらーで活字中毒。普通の本も読むのだが、ある本に(タイトルは忘れた)大好きなキャラがいるらしく、告られても 
 「ほら、A○○(キャラの名前)好きだからー。悪いね」 
 みたいな対応。 
・俺は「使いやすい下僕」らしい。結構仲は良い。 


俺 スペック詳細 

・どこにでもいる高校1年生。(Aと同じクラス) 
・Aに振り回されっ放し。 
・ぶっちゃけAに片思い中。 


343 : 2/6[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:19:40 ID:xvC9DHI00 [2/6回(PC)]
夏休み前日、Aから電話がかかってくる。 

「ねぇ○○(俺の名前)きゅん、夏休み中空けとけよ」 
「は?何でだよ、俺部活あるから無理だz」 
「解ったかい?よし、じゃーそゆ事で」 
ツー、ツー、ツー・・・ 

あの自己中、切りやがった。 

まぁそうは言いつつ、部活の顧問に怒られたが3連休確保。 
早速Aに電話した。 

「もしもしー、何でキミの分際でそっちから電話かけんだよー。よっぽどの事でも無きゃAちゃんは暇じゃないんだぜ」 
・・・本っ当に性格も口も悪いな、お前。 
とは言わずに、軽く皮肉ってみる。 

「よく言うな、幽霊部員なのに」 
「全県で準々まで行きゃ、誰も文句いわねーよ」 
「そりゃごもっとも」 
「まーねぇ、その代わり部員からすっげぇ嫌われてるけどね。当たり前かな、いつの世界も天才は理解されないんだよ」 
「自分で天才言うなよ」 
・・・まぁ、事実なんだけど。 

「でー、何の用かにゃ」 
「休みとったぞ、8月の始め」 
「・・・・・・あー。あーあーあー、そういや言ったねぇ、休みとってって」 
「・・・。」 
コイツ、今忘れかけてたよな確実に。 



344 : 3/6[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:20:30 ID:xvC9DHI00 [3/6回(PC)]
「まぁ良いや、んじゃ8月1日に駅集合ね」 
「集合って、何時n」 
ツー、ツー、ツー・・・ 

あの自己中、切りやがry 
・・・俺は(というか他の大勢もだが)なんでこんな性悪女に恋をしたのだろうか・・・。 

という訳で、当日。 
律儀に朝から来ていた俺は、結局5時間ぐらい待たされた。 
「おー、遅れなかったんだねぇ」 
「遅れるも何も、時間決めてなかっただろ!」 
「気にしたら負けだよ」 

ちなみに、Aはいつものツインテールにゴスロリ系の黒いワンピース。 
可愛いほうだし服装が目立ちすぎるので、かなり人目を引いていた。 

「じゃー行こーぜぃ」 
「・・・はいはい」 

と、列車に乗り込んだはいいのだが。 
妙だ。 

普段ならこの時間帯は混んでいるはずなのに、この車両だけはなぜかすいていた。 
というか、乗客がこの車両だけを避けている。 
こっちにはこんなに空きがあるのに、わざわざ混んでいる車両へと競うように入っていく。 

しかし、Aはまっしぐらにこの車両に乗り込んだ(滅多に見れない楽しみそうな笑顔で)。 
・・・これは、まさか。 
Aの悪い癖が出てしまったというのだろうか。



345 : 4/6[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:22:03 ID:xvC9DHI00 [4/6回(PC)]
Aは、俗に言う霊感持ちであり―――相当なレベルで、『視える』人なのである。 
普通なら、それだけ視えれば心霊現象には関わらなさそうなものだが、案の定Aは自分から心霊現象に突っ込んでいくタイプだったのだ。 

「・・・お前、ひょっとして・・・」 
「あり、さすがに気づいちゃったか。つまんねーの」 

「この車両で、昔殺人事件があったんだぜ」 
嬉々としてそう言ったAの表情は、無邪気さなど欠片も無い凶悪な笑み。 

「それでねぇ・・・その後も、そこに――っつーか、今乗ってるからココに、だな。ずーっと、出続けてるんだってよ」 
「・・・その、殺された奴がか?」 
「いやー、違えのよそれが」 

ポカンとした俺の脳裏に、疑問が渦巻く。 
わざわざ『出る』車両に乗ろうとするバカが―――コイツの他に、いるか? 
いや、滅多にいないハズだ。 

なのに―――なのに、さっき俺は、ここに『俺たちしかいなかった』ではなく『すいている』って思わなかったか? 
他に―――俺たちの他にも乗客がいるはずなのに、どうして。 

どうして、見たはずの存在も顔も服装も、俺は覚えていないんだ? 

「○○きゅん、今周り見ちゃ駄目だぜ。わかっちゃったんだねぇ、顔に書いてあるよー」 
のんきなAの声。 
そしてAは、気づいてはいたもののわかりたくない一言を、俺に向けて呟いた。 

「殺された奴じゃなくて、奴『達』だよ・・・」 
鳥肌が立った。 



346 : 5/6[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:23:01 ID:xvC9DHI00 [5/6回(PC)]
必死で自分の足元だけを見るが、俺でもAでもない、あるはずが無い革靴がいくつも見える。 
仕方が無いので目を閉じた。 

自分の心臓の音と、とうとうと語るAの声だけが良く響く。 

「なんでこんなに殺されてテレビでやってないか・・・って思うよねぇ、普通。それがさぁ、テレビだと――っつーか、一般放送だと流せない内容なんだってな」 
こつこつと、靴音が鳴る。 
いくつも、いくつもの靴底が擦れる音が聞こえる。 

「なんかさー、この事件の加害者が・・・キチガイで、しかもかなりの権力者の子供なんだってねぇ。それで、圧力でもみ消されたらしいぜ」 
聞いている内に吐き気がしてくる。 
時計を見たい、いつ次の駅に着くのだろうか。 
けれど、俺には目線を上げる勇気など当然なかった。 

「それで、その車両にいた人たちも精神やっちゃって。結構、被害は大きいらしいねぇ・・・かっわいそー」 
可哀想とは言うものの、Aの口ぶりはまるで哀れむ様子も無く。 
赤いローヒールをガツンと踏み鳴らして、思いっきり――その高くてよく通る声で、叫んだ。 

「手前ぇらは死んでんだよ、気付いてんだろーが!出てけ、なんつー優しい事言わねーから、」 

ざわりざわりと、ギャンブル漫画じゃないが空気が動いているのが俺にでもわかった。 
勢いそのままに立ち上がったAのスカートはふわふわと揺れた。 

「とっとと消え失せろゴミクズが!!」 

その瞬間、次の駅に着いた事を知らせる音楽が鳴り響く。 

ゆっくりゆっくりとスピードは落ちていき、ようやく列車が止まった。 



347 : ラスト[] 投稿日:2009/08/14(金) 13:24:14 ID:xvC9DHI00 [6/6回(PC)]
「じゃ、降りよーぜぃ」 
Aは、ころっと表情を変えて。 
至って軽い調子で呟いて立ち上がる。 
ドアは、もう閉まりそうになっていた。 

恐怖で固まっていた体がようやく動くようになり、ドアの間をすり抜けるように飛び出した。 

すると――― 

その車両に、今の今まで俺たちが乗っていた車両に、大勢が争うようにして乗り込んでいった。 

「なん、で・・・」 
「Aちゃんがさっき追い出したから、に決まってんだろ?」 

スッキリしたぁー、とAは背伸びしながらにっこりと笑った。 

「出てったから。だから、アイツら・・・さっきの乗客は、何の恐怖も無くあそこに乗り込んだんだねぇ、単純単純」 
恐ろしかった。 

人は、そんな簡単に恐怖も記憶も無意識も支配されていたのか。 
というか、その支配権を奪ったA自体も―――俺には、信じられなかった。 


以上で、俺と友人の体験談は終わりです。 
・・・ちなみに、まだ告白はしてませんwww 

全然怖くなかったらサーセンw