159 : 16[sage] 投稿日:2011/05/26(木) 20:04:59.94 ID:eyYw6u020 [16/19回(PC)]
>>158の続き
そのまま這うようにその場を離れると、起き上がり全力で走り出した。
この時、俺は背後を振り向き何かを見た、それは間違いない。
そしてそれに今まで感じた事の無いような恐怖心を感じたのも間違いが無い
のだが、今思い返してもなぜか何を見たのかが思い出せない、これを読んでいる
人はおかしいと思うのだろうが、そうとしか言いようが無い。
「何か恐ろしいものを見た」という記憶しかなかった。
たぶん1km以上は走ったんじゃないかと思う。
ポケットに入れていた携帯が突然鳴った、どうやら携帯の繋がるところまで
下りてきていたようだ。
電話に出るとそれはAだった。
電話越しにCの声もする。
Aが
「おい、大丈夫か?今どこにいる?」
と、かなり心配しているようだ。
俺はとりあえず無事な事と広い道にでている事を伝えると
「Bはどうなった?無事なのか?」
と聞いた。
続く
160 : 17[sage] 投稿日:2011/05/26(木) 20:06:01.29 ID:eyYw6u020 [17/19回(PC)]
>>159の続き
Aによると、Bも無事で3人で一緒に資材置き場の駐車場のような場所にいるらしい。
話を聞いているとどうも俺と同じ道を下ってきていたようで、電話をしながら暫らく
歩いていると3人が見えてきた。
キャンプ地を逃げ出してからかなり時間が経っていたのか、空が白み始めている。
3人に合流すると、Bは駐車場の縁石に座りぼーっとしている。
とりあえず俺は皆にはぐれた後の事を説明した。
するとBが
「そう、それだ、俺が見たのも!」
と言ってきた。
姿形は全く思い出せない、でもそこに「何か恐ろしいもの」がいたのだけははっきりと
覚えているんだという。
AとCにそういうのを見たか聞いてみたが、2人はそういうのは見ていないという。
ただ、Bを追っている最中にずっと背後に気配と視線は感じていたらしい。
話しているうちに日が昇り周囲が明るくなり始めた。
俺達4人は携帯の地図で場所を確認すると、どうやらキャンプ地から大きく回りこんで
別の峠のほうに来ているようだが、歩いて戻れる範囲ではあるようだ。
本当は戻りたく無いのだが、荷物も車もそこにある、戻らないわけにはいかない。
俺達は3時間かけてキャンプしていた場所まで戻った。
戻ってみると、一見何も変化がなく、荷物もテントも車も来た時のままだ。
しかし根拠は無いが、4人とも「またあれが来るんじゃないか」と内心ビクビクだった。
中の荷物をまとめようと俺がテントに入ろうとしたとき、中からあの強烈な
腐臭がしてきた。
続く
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