161 : 18[sage] 投稿日:2011/05/26(木) 20:07:10.17 ID:eyYw6u020 [18/19回(PC)]
>>160の続き
俺は「うわっ」と声をあげてしりもちをついた。
別のところで荷物をまとめていたA、B、Cが何事かと寄ってきた。
俺が
「ヤバイ、なんかテントの中からあの臭いがする…」
というと、真っ青な顔でBが
「マジか…」
と後ずさりした。Aが
「…とりあえず外から中を探ってみるしかなくね?」
と動揺気味に言ってきたので、外から棒でつついたり石を投げたりして内部の
反応を見てみた。
しかし、何の反応も無いし気配も無い。
Cが恐る恐るテントの窓を覗き込むと
「見える範囲には何もいないっぽい…」
と言ってきた。
俺は意を決してテントの入り口をあけ中を覗き込んだ。
中には俺達の荷物がそのままだ、ぱっと見た限りでは臭い以外におかしなところ
は何も無い。
ただ、よく見るとテントの中央辺りが黒く煤けている、まるで何かそこで小火でも
起きたような色で特にその辺りの腐臭が酷い。
続く
162 : 終わり[sage] 投稿日:2011/05/26(木) 20:07:52.01 ID:eyYw6u020 [19/19回(PC)]
>>161の続き
俺達はなるべく臭いをかがないようにしながら荷物を全て外に出すと、テントを
川で念入りに洗い臭いを完全に洗い落とし、荷物をまとめると早々にその場
を逃げ出した。
帰り際、ふもとの小さな町でそれとなく色々聞き込みなどもしてみたのだが、結局
あれが何なのかは解らなかった。
というより、山そのものに「いわくも何も無かった」といったほうがいい状態だった。
その後、俺達には特に何も起きておらず、結局あの晩に起きた事の真相は今現在まで
何もわかっていない。
ただ、今でも俺は少し暗闇が怖い。常にではないが、たまに真っ暗の闇の中から
あの何か気配や歌声が聞こえてくるんじゃないかと不安になるときがある。
以上、これが1年前の出来事の全てです。
終わり。
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