PPS_kanegatanohuurin_TP_V (1)

私の実家は小さい店を経営しています。 
Mさんという私より3つ年上の女性従業員さんが一人いて、 
その方は高校生の時にお母さんを亡くされています。 
なので、私の母を本当の母のように慕っており、 
私の母もまた自分の娘のようにMさんを可愛がっていました。 
私と妹も本当の姉妹のように仲良くしてもらっていて、 
いわゆる家族ぐるみのつき合いをしています。

私の母が急に亡くなったのは今から4年前の夏の夜でした。 
翌朝、誰よりも早くMさんが駆けつけてくれました。 
絶句したMさんが母の亡骸に駆け寄り、しばし無言の対面をしました。 
親戚より早く来てくれたMさん。とても嬉しくてそして悲しくて… 
あ私と妹が「お母さん、Mさん来てくれたねー。」 
って母に語りかけた時でした。突然、 

カーーーーーーンンンン……… 

と、仏壇の鐘が高く鳴り響いたのです。 
びっくりして3人で顔を見合わせました。 
勿論、誰も鐘には触っていませんし、その場には私たち3人以外誰もいませんでした。 
の時の感情は言葉では言い表せないのですが、3人で抱き合って泣きました。

「あぁ、お母さんMさんが来てくれたの嬉しくって有難うって言ったんだね。」 
って私たちは頷き合いました。 

それまでの私はオカルト話とか好きな方でしたが、実体験をしたこともなく 
半信半疑という感じでした。 
ですが、その時に確信しました。霊は本当に存在するのだ、と。 

あの長ぁーい鐘の余韻はいまだに忘れられません…