まだ自分がうまれる、ずっとずっと前の話
祖父が入院していたときの話だそうだ
祖母と伯母と母が交代で、昼も夜も付きっ切りの看病だったらしい
今では考えられないが、その病院の隣は大きな墓地になっていて
焼き場もそこにあったという
水を汲んだり汚れ物を洗ったりと、行く回数の多い水場の窓からは
そんな墓場が丸見えで、ひどく気味が悪かったと母からよく聞かされた
特に夜は最悪で
電灯を消された暗く長い廊下を歩いていると
ひたひたと後ろから誰かが付いてきているような
ありがちだが、そんな気がいつもしたそうだ
病院から家へ帰るには
実はその墓場の中を抜けて行く方が近道だったらしいのだが
当然怖いので、母たちはいつも遠回りの道を使っていた
そんなある日
病院から帰ってきた伯母が、家の玄関に入ってくるなり土間で倒れた
「姉ちゃん、どないしたん?!」
土間にうずくまり、なにやら低くうめいている伯母に母は声を掛けた
「……………」
伯母はどうやら早口で、何かを繰り返しつぶやいている
その時は、何を言っているのかわからなかったらしい
コメント
コメント一覧 (4)
画像のひどく古ぼけた壁と担架の看板の方が、ひどく気味が悪い・・・・
俺様は墓場と呼ばれた高校大学に通ったぞ
千の風になってで言っているではないか
私はそこにはいません眠ってなんかいませんって
浮遊しているんだぞ
墓場は怖い
死んだらあんな狭いところ入りたくない
怖い怖い怖い怖い怖い
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