山奥で木こりをしている老人と若者がいた。
夜になると山小屋で老人はノコギリの手入れ
若者は酒をたしなんでいた。
すると入り口(スダレ)から中を覗く気配がする。
漆黒の闇の中からスダレを少し上げて中を伺う人物がいた。
「なにしとるんじゃ?」
焚き木の明りの中、かすかに不気味な目と三日月のような口が見える。
緊張した雰囲気の中、老人が「ノコをといどるんじゃ!」と
答えると「ノコをといどるのか…」とナゾの人物は
さらにスダレを上げて小屋の中へ入ろうとする。
何かを感じた老人がノコギリの一番下にある大きな刃を見せつつ
「特にこの8本目の刃は鬼刃ちゅうて鬼が出たらひき殺すんじゃ!」
そう言い放つとナゾの人物は
「そうか・・」と言葉を残し夜の闇に消えて行った。
次の日の晩もそいつは現れ、老人と同じ問答をしつつ
小屋には一歩も入らず帰っていった。
そしてそんなある日、木を切ってる最中に老人のノコギリの刃―
オニバが折れてしまう。
老人は鬼刃を直しに行くから若者にも山を降りろというが
忠告を無視し、山に残ってしまう。
そして夜―
独りで酒を飲んでる若者の山小屋に例の人物が現れ中をうかがう。
…「なにしとるんじゃ?」
酔っ払った若者が老人は鬼刃が折れたので居ない事を
喋るとといつもは帰るソイツはガサッとスダレを上げ、
「鬼刃はないんじゃな!?」
と嬉々とした声でズンズン小屋の中へ入ってくる!
老人が小屋に戻った時、若者の姿はどこにもなかった…

コメント
コメント一覧 (2)
若者と鬼の会話はどうして残っているのかと。
作者はこんな簡単な齟齬にも気づかなかったのかと。