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怖い話にありがちな場所隠すということがアホらしいから言っちゃうけど浜松市にア○トタワーっていう建物があってさ。 
何か色々な施設を詰め込んだ浜松市民御用達の建物って感じらしいけど俺は街中からエラい離れた所で育ってきたからそんなのイマイチ知らなかった。 

そんなア○トタワー、6月の頭くらいに行ってきた。学校は代休(この日は恐らく浜松の幾人かの高校生が休みだったと思われる) 
父親が用事があるとのことでついて行ったのだがまー半端なくやることが無さすぎる。 
父親が目的の場所にいる間、俺は父親にぶらぶらしてくるとの連絡をスマホで入れて探検開始。父親からはあまり遅くなるなとの返信だった。 
しかしやはり楽しそうなところは無い。探検自体はまあ新鮮で楽しいけれども。 

そうして、ハンバーガー屋?的な店があるところのエスカレーターを下ると静かな場所に行き着いた。 

またエスカレーターを下ろうと思ってふと前を見るとエスカレーターが2つある。 
1つのエスカレーターの上には色々なレストランっぽい看板?案内板?がたくさん出ていた。 
もう一つのエスカレーターは何も出ていない。というか何かある気配すら無い。 

これは面白そうと思い何も無さそうな方のエスカレーターを下って行った。

下って行ったものの何も無い。そして長い。恐らく感覚的には2~3階分くらいあったと思う。 
そうしてようやくエスカレーターの終点に辿り着いた。しかし、周りはコンクリートの壁ばっかりで雰囲気が静かすぎる。 
駐車場かな?と思ってしばらく歩いてみるが車1台すら全く見かけない。そしてジメジメしている。 

何の場所かなーと思っていたら人を見かけた。 

3人の人が何かを囲んで円になっている。真ん中で火か何かを焚いているからか、明るい。 
その様子を遠くから見ていたがすぐに3人の人が普通ではないことに気づいた。 
まず、みんな奇妙な動きをしていた。頭は左右に揺れ動き、1人はどこかの国の民族でありそうな手足を激しく動かすダンス的なもの。残り2人は飛び跳ねたり、スクワットをしたりしている。 
そして、発している言葉も明らかに日本語ではない。みんな「ゴックチユアアアマ」(うろ覚えだけど)みたいな感じのことを言って騒いでいる。 

そして何より決定的におかしいのが肌の色。3人の肌の色は明るい青と黄色とオレンジだった。 
よく分からないけどここにいてはヤバイ。そう察した俺は戻ろうと元の道を引き返そうとした。しかし、最悪の展開。 

奴らが突然すごい勢いでこっちをグルンッと振り向いた。

まあその後はありがちな展開。 
半狂乱で必死に当てもなく逃げる俺と笑いながら追いかけてくる奴ら。 

何が何だか分からなかったけどとにかく捕まったらただで済まない。それだけはバカでも分かることだった。 
しかし、俺は陸上部でも無いしスタミナがすごいあるわけでもない。段々と疲れてきて奴らとの距離が縮まってきた。 
もうダメだと半泣きになった時、左手方向に階段が。 

助かったと思い、最後の力を振り絞って上っていったらドアが見えてほっと一安心。 

ドアまで辿り着いて後ろを振り向いた。もう奴らはいなかった。 
とはならず、奴らも階段を上がってくる。ちょっと待てよと。怖い話のセオリーなら普通追うのを諦めるだろと。 
幸いドアが開いたので捕まることはなかったがドアの先は何と浜松駅の中の静かな通路だった。 
結局、道沿いに行って駅を出て、父親に連絡をしてア○トタワーで合流した。 

最終的にあれは地下の住人という自分でも納得の行かない結論を出したが何気ない所でも人ならぬものはいるのだなと酷く実感させられた。 
みんな、そこら辺は本当油断しないでおいて欲しい。 

特に浜松の人。建物に見慣れないもしくは異様な雰囲気を放つ階段やエスカレーターがあったら極力気を付けてくれ。 
行ったら安全である保証はどこにもないから。