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それは、ログハウスの中。窓にへばりついてた。 
窓を叩いているようにも見える体制のそれの目線はしっかりと先生たちに向けられていた。 
それの姿は、黒い髪に着物姿の女。 
夢の中に出てきた女の姿と、それはよく似ていたという。 

そして、その女がいる窓は、A先生たちが止まっていた部屋の窓だったのだと、A先生は自分たちのいるクラス全員に笑いながら話をしていた。

と、いったんここまで。 
中学生の頃授業のあまり時間に何回かに分けて先生から聞いた体験談を小説風に今書き起こしたものなので、すこし脚色入ってるかもしれません。 

実はこれ、まだまだ話は続きます。 
需要ありましたら続きを書き込もうかと思ってます。

件の写真をBから手渡されたその夜。 
寝苦しさを感じながらA先生は自室のベットで目を覚ました。 
目をこすろうと腕を動かすが、指先どころか体のほとんどが動かない。 
「これが金縛りか。。。!」と思ったとたん、いつか聞いた「くす。。。くす。。。」という声。 
唯一動く眼球をめいいっぱい動かして部屋の隅を見ると、いた。 
あの時の着物女が、あの時とおなじ体育座りで。 

その日はそのまま朝を迎え、外が明るくなり始めたころには女は消え、体も動くようになったらしい。

次の日。 
昨夜のことをBに話すか迷ったA先生だが、仕事の事もあり、その日は断念。 
何故か急ぐこともないだろう、と考えた先生は、そのままいつも通り寝ることに。 

少しは怖がれ。

その日もまた、昨夜と同じような症状で目が覚めた。 
しかし今度は首が動く。眼球は動かないらしかったが。 
とりあえず、首をめいっぱい動かしてあたりを確認。 
あたりには何もなく、いつもの薄暗い自分の部屋だった。

今日は何もないか、と考えた矢先、天井を再び見上げると目を覚ましたときにはなかった人影が。 
目を凝らせば、自分と同じような仰向けの体制で丁度真上で横になってる男性の姿が。 
のちに先生が「脳天禿」と語るその男性の頭を凝視しながら、動かない体を必死に動かそうとする先生。 
余談だが、男の姿は死に装束だったという。前の合わせが見えなかったから確信は持てなかったらしいが。

その男性の後頭部が急にぐりん、と回り、A先生を見つめる顔が現れた。 
しかし体制は仰向きのまま。頭が180度回転したのである。 
その顔が無表情からにたりとした笑みに代わり、そして。 

頭が、首から落ち、先生の顔の真横へ落ちた。

少し首をそちらへ向ければ、先ほどのにたにた顔がA先生をみている。 
そしてその首は再び真上の胴体へとつながり、再びぼとりと落ちる。 
その繰り返し。 
気が付けば先生は朝日と共に目を覚ましていたらしい。 

ちなみにその次の日は、巨大な足が自分を何度も踏み続けたという。

そろそろやばいと感じ始めたA先生。 
巨大足の次の日、Bに相談し翌日の休みにお祓いに行くことに決まった。 
ちなみにBには、何もなかったらしかった。 

その日の夜。

ここ数日おこっていたのと同じ流れで、先生は目を覚ました。 
いつもと違うのは、自分が仰向けではなく、横向けに寝ていたということくらい。 
丁度ベッドが寄せられている壁に顔を向けるように寝ていたA先生。 
いつもと違う金縛りの体制に少し痛み(主に背骨の軋み)を感じながら寝る体制に入る先生。

すると、どこからかカタカタという音がするではないか。 
音はどうやら、自分の身体が向いている方から聞こえる。 
先生が向かい合わせになっている壁には、夏物や冬物の蒲団が押し込まれた押し入れがある。 
その扉が、かたかた、かたかた、となっているのだ。

音と共に揺れる襖。少しずつ、少しずつ、それは開けられていく。 
そして少し押し入れの奥が見えるくらいに開いたころ。 

目があった。

押し入れの隙間から、着物女がその眼だけをのぞかせていたのである。 
目線が、A先生のものと交わる。 
女の目元が、にやりと笑った気がした。先生はそう言っていた。 
そのまますっと女は消え、ただひたすら朝方まで金縛りが続いたという。 
その時の女の顔が、今までの霊体験で一番怖かったと、先生は笑ってた。

次の日。 
予定通りお祓いのため寺(神社だったかもしれません)に行ったA先生とB。 
住職に話をし、お祓いをした後写真も一緒に燃やしてもらった。 
その時、ふっと肩が軽くなるのを感じたのだとか。

その後、それまでの経緯を住職に話すと、その時の住職曰く。 
「地蔵がいけなかった」とのこと。 
どうやらその地蔵は、ただの地蔵ではなく、昔行き倒れた人を供養するためのモノだったのだとか。 
普通に拝む際、一緒に何かしらお供え物(たとえば菓子やお賽銭など)を置いていかないと、一緒についてきてしまうらしいのだ。 
逆に、お供え物さえしておけば、そのお供え物の方へ霊が行くため、今回のようなことにはならなかったという。

先生たちは住職に礼を言い、もう一度件の山の地蔵のもとへと足を運んだ。 
以前のわびとも含め、大目に持ってきた果物をそこへそなえ、拝みその場を離れた。 
それ以来、その女は洗われていないらしい。

と、以上が自分の先生の霊体験でした。