前の会社がサンシャインの中にあった。
結構仕事の忙しい会社で、アップの期日も間もないので その日も10時を過ぎてもウチのチームだけは残っていた。
プロデューサとチームの面子で今後の進行についてのことを話し合っていた時
プロデューサーがいきなり叫んだ
「いま、そこ・・・そこで何かが横切った!!」
プロデューサー曰く、机と机の通路の床の上を何かが横切った、というのだ。
「はあ?別に何もないじゃないですか」
異常にプロデューサー怖がるので、ディレクターが調べに行ったが何も見つからない
そりゃそうだ。
そりゃそうだ。
人が隠れるスペースもないし、別に周りには特別怪しいものは見当たらない。
「でもさあ何かが横切ったんだよ、ちっちゃなのが、なんか転がってるみたいに・・・・」
「猫とか入ってきたんですかね?・・・・ありえないけど」
「まだ幻覚見える歳でもないでしょw」
「ヤバイ薬でもやってるんですか?」
みんながからかい半分で囃し立てる。
「このごろ皆疲れ気味ですしねえ、どうです、今日はもうお開きにしてみんな帰りませんか?」
漏れがそう提案すると、プロデューサーも納得し、結局その日は解散ということになった。
駅で皆がそれぞれの電車に向かい、怖がっていたプロデューサーも少し落ち着き始め
「じゃあみんな、また明日」そういってホームに足早に消えて行き、チーフのT氏と漏れはその後姿を見送った。
そこでT氏がポツリと喋った
「俺さ、何も見えなかったから言わなかったけど、紙、ゆれてたよな・・・・」
何かが横切ったとされる場所の近くに、今後の予定表が貼られており、 確かにその時、その予定表が不自然なほどゆれていた。
「見間違いじゃないんですか?」
そんなことはない。それは漏れが一番わかっていた。けどそういって誤魔化した。
漏れには見えていた、横切ったものが。
ゴロゴロと転がっている生首だったことが。 大口を開けて、まるで笑っているように。
コメント
コメント一覧 (1)
サンシャインは確かに怖いぞ
元巣鴨プリズンと呼ばれた監獄だったからだ
東条英機もここで処刑された
都会なのに夜中に行くと怖いぞ