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友人:お菓子を報酬として偶に除霊している人。霊媒師にはなりたくないらしい。 

友人は結構力が強いのだが、あんまり自分から活動はしたくないらしく、 
除霊をするとしても妹さんの知り合いとか、ご両親の知り合いとか、 
まあ自分に近い人の除霊をメインにしている。 
今回はその中のおそらく土着神(友人は土地神様って言ってた)の話。

依頼は妹さんの部活の友達のお母さんの知り合いというとても遠いところからきた。 
正直そんな縁遠い人の依頼なんてめんどくさかったらしいが、 
妹さんの部活の友達というのが、結構スポーツの方面がすごくて、世界各国を飛び回っている子だったらしい。 
その友達は行った国で色々連れて帰ってきてしまう子で、定期的に友人がみてあげていた。 
その筋からのお願いということで受けたようだ。

まず友人の経験上、『おばけに憑かれた!』と騒ぐ人は大抵霊とは関係ない原因で不幸なことになっているらしい。 
なので最初に写真か写メをもらって本当に霊が原因かみるそうだ。 
今回の場合も「他の原因だろうなー」と思っていたが、違った。 
もらった写真の家の床からぼっこぼこ黒いものが噴き出ていた。

「あ、ヤベ。床だ」 

どうやら霊障に間違いないらしいので、ここで初めて友人は依頼主に何に困っているか聞いた。 
大体こんな感じ 
・家族の仲がすごぶる悪くなった 
・子供の怪我がどんどんひどくなる 
(ケガが膿むとかではなく、擦り傷の次は骨折など、程度が酷くなっていっている) 

家族の仲が悪くなったに含まれるかも知れないが、 
男の人は怪我をして、女の人はヒステリーがすごくなっていたらしい。

最初に書いたように友人は霊媒師ではないので、普通の仕事をしている。 
なので行ける日も限られているのでその間の予習のために 
家や周辺の写真も沢山貰ったらしい。 
ただここで異変を感じたのは、 
友人は依頼主の奥さんに「写メを送ってください」と言ったそうだ。 
そうすると家の写真が送られてきた。 
それから3時間、友人の携帯には途切れることなく家と庭の写真が送信され続けてきた。 

「うわあ…」と思った友人はどうにか有給をもぎとり、予定よりも早くその家に訪れた。

その家は友人宅から車で二時間かかる山奥にあった。(同県内) 
高速から降りた瞬間から違和感に気づいたらしい。 

友人は普通に霊が視える。 

首のもげた霊がなにか喚きながらカフェでお茶を飲んでいるのを日常的に見ている。 
なので色んな種類の霊を知っている。 
だがその山の霊には共通点があった。 
身体のどこかしらが一部分欠けているのだ。 
二つではなく、必ず一つ。 

山道に入ると中に巫女さんがちらちらみえるようになり、皆件の家を指し示していた。 
なんて親切なんだと思いながら家についた友人。 
三世帯住宅で家も庭も物凄くでかかったらしい。 

友人を出迎えてくれた奥さんはやつれきっていた。 
しかし奥さん自体にはなにも憑いていなかったらしい。

嫌な感じはしたけど嫌なものはいなかったので友人は各部屋を覗かせてもらった。 
するとここの霊は几帳面だったらしい。 
各部屋に周辺にいた霊の欠けた身体が収納されていた。 
(この部屋は脚、こっちは腕、みたく) 

この辺りで友人は「これ霊じゃなくね?」と思ったようだ。 

写真をみたときも思ったのだが、親玉となりそうな奴が全く写って無かったそうだ。 
実際に見てもそれらしき奴がいない。 
そこで友人は奥さんにこう言った。 

「庭で煙草吸わせてください」 

経験上煙草をすうと出てくることがあるようだ。 
あと水晶があるならなんでもいいので持ってきてくださいといった。 
(水晶はモンスターボール的な役割らしい)