増えたというから2人になったとかそういう事じゃないかと予想していたんだが、これは予想外だ、怖すぎる。
話しかけてくるのは1人だったのに、まさかこんな事になっているとは。
動揺を必死で隠しながら目的地の洋食屋に到着し、俺はカレーライスを注文した。
が、ぶっちゃけ恐怖と不安と、連中に「気付いている」事を
が、ぶっちゃけ恐怖と不安と、連中に「気付いている」事を
悟られないようにするのに必死で、どんな味だったのか全く覚えていない…
A君も同じようなもののようで、とても傍目にも美味い物を食っているようには見えなかった。
そもそも連中は全員で俺たちのテーブルを囲んで時々思い出したかのように「気付いてるんだろ?」とか話しかけてくるので、味わって食べる余裕などあるわけもないのだが…
その後も2人で服を見に行ったりゲーセンへよったり、思いつく限りの「休日の暇つぶし」
をして気付いていないふりをし続けたのだが、その甲斐あってか夕方頃になってやっと
つけ回して来るやつらの人数が減りだし、お互い家路に付く頃にはついて来ているのは2人だけになっていた。
が、この2人だけがなかなか離れてくれない。
仕方が無くメールで「今日はひとまず帰ろう、だいぶ離れたんだそのうちこいつらもいなくなるはずだ、がんばれ」
とメールを送るととりあえず今日は解散して帰ることにした。
とメールを送るととりあえず今日は解散して帰ることにした。
俺とA君が別々に歩き出すと、案の定ついてきていた2人は1人ずつ俺たちについてきた。
そして自宅のアパートまで帰ってくると、予想通りやつは部屋の中まで入ってきて
相変わらず「気付いているよね?」などと話しかけてくる。
いい加減しつこくて恐怖心よりもウザくなってきたのだが、反応したら何が起きるのかが恐ろしくて無視していた。
そのうちやつらのほうもイラついてきたのかもしれない。
寝る頃になると「気付いているんだろ?早く答えろ!」とだんだんと語気が荒くなってきて、しゃべる頻度も上がってきた。
が、布団に入り電気を消す頃になると、流石に諦めたのか「なんだ、気付いてないのか…」というと部屋から消えてしまった。
ホッとしてそのまま寝ようとしたとき、A君から電話が来た。
電話に出るとどうやらA君のところのやつもいなくなったらしく、かなりうれしそうに
「○○さん、 やっとあいつらいなくなりましたよ!そっちどうですか?!」となんか涙声で聞いてくる。
「○○さん、 やっとあいつらいなくなりましたよ!そっちどうですか?!」となんか涙声で聞いてくる。
どうやら不安感から開放されて電話越しに泣いているらしい。
ただ、俺はどうもあれだけしつこかったのに最後があっさり過ぎたのが腑に落ちず、
「A君 ちょっと落ち着け、“まだどうなってるか解らない”から様子を見よう」というと、A君は
「A君 ちょっと落ち着け、“まだどうなってるか解らない”から様子を見よう」というと、A君は
「もうだいじょうぶですよ!それよりあいつ最後に変なこと言っていたんです、なんか 『気付いていたら・・・・(聞き取れず)たのに…』って」と言った瞬間、
電話越しに「あ…」とA君の声が聞こえて電話が切れてしまった。
電話越しに「あ…」とA君の声が聞こえて電話が切れてしまった。
「マジかよ…」と思いながら慌ててリダイヤルでA君の携帯に電話したのだが、何度コールしてもA君が出ない、
そもそも俺はA君の自宅の場所なんかは何も聞いていないのでそれ以上どうすることも出来ず、かといってこの状態で寝る事もできず、
更に「まだやつらがいる可能性」すらある状態で気を休める事も出来ず、朝までゲームをしたりネットをしたりして時間を潰すと、
まだ大学の講義の時間まで少し余裕があったので、バイト先にA君の住所を聞きに行く事にした。
そもそも俺はA君の自宅の場所なんかは何も聞いていないのでそれ以上どうすることも出来ず、かといってこの状態で寝る事もできず、
更に「まだやつらがいる可能性」すらある状態で気を休める事も出来ず、朝までゲームをしたりネットをしたりして時間を潰すと、
まだ大学の講義の時間まで少し余裕があったので、バイト先にA君の住所を聞きに行く事にした。
バイト先につくと、店長がいたので昨日の夜A君の様子が変だったと話し、心配なので様子を見に行きたいから住所を教えてほしいというと。
店長は「いや、なんかあいつ昨日自分の部屋にある本棚の下敷きになったらしくて、命に別状は無かったようだけど入院したって話だぞ、さっき母親からそういう事で暫らくバイトに出れないと電話があったんだが」と言ってきた。
店長は「いや、なんかあいつ昨日自分の部屋にある本棚の下敷きになったらしくて、命に別状は無かったようだけど入院したって話だぞ、さっき母親からそういう事で暫らくバイトに出れないと電話があったんだが」と言ってきた。
そして俺に入院先の病院名と病室の番号を教えてくれた。
その日の夕方、俺は大急ぎでA君の入院している病院に見舞いに行った。
すると、頭を打ったようだが特に大事になったわけでもなく、何日か検査するために入院 するけど、それが終れば退院できるらしく、それほど大事ではなかったようだった。
そこで、昨日の夜何があったのかを聞いてみようとしたのだが、A君とA君の母親が言う
には、どうも頭を打ったことで短期的な記憶喪失?のような状態になっているらしく、昨日丸々1日の事が一切思い出せないらしい。
ただ、本当に「昨日の記憶が無いだけ」ではないのは明白だった。
なぜなら、例の人っぽいものの事をそれとなく聞いてみたのだが、A君はそんなもの知らないという、
昨日より前からそのことは知っていたのに、だ。
昨日より前からそのことは知っていたのに、だ。
昨日の記憶が抜け落ちたというより、人っぽい何かに関係した記憶がすっぽり抜け落ちたという表現の方が正しいだろう。
あの後やつらに何かされたのだろうか?が、それ以外には特におかしなところも不自然なところもなく、
普通のいつも通りのA君だった。
普通のいつも通りのA君だった。
ちなみに、A君は3日ほどで退院でき、バイトにもすぐに復帰したのだが、その後も現在までおかしなところは何もない。
それと例の人っぽいものなのだが、俺のほうはあれからも暫らく見えていたのだけれど、
いつの間にか見えなくなってしまっていた。
俺をつけ回していやたつの声もあの晩以降は一切聞いていないので、流石にもう大丈夫だろう。
俺をつけ回していやたつの声もあの晩以降は一切聞いていないので、流石にもう大丈夫だろう。
気になるのは、テレビ局の前に大量にいたあれは何だったのか、結局それは今現在に至るまで正体も目的も不明だ。
あの態度からしてろくでもない存在なのは間違いないが、今となっては確認する術もない。
あの態度からしてろくでもない存在なのは間違いないが、今となっては確認する術もない。
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