人のような物体の色は結構区々らしく、真っ白に近いものもいれば真っ黒に近いものもいる。
また、体の欠損部分もかなり多岐に渡っていて、さっきの女の人
また、体の欠損部分もかなり多岐に渡っていて、さっきの女の人
についてきていたやつのように胴体の半分近くがないものもいれば、
欠けているのが腕だけとか頭の1/3くらいだけとか片足だけとかのもいれば、逆に上半身が丸々ないものまでかなり様々だ、
勿論俺たちが以前見たように何の欠損もないやつもかなりいる。
欠けているのが腕だけとか頭の1/3くらいだけとか片足だけとかのもいれば、逆に上半身が丸々ないものまでかなり様々だ、
勿論俺たちが以前見たように何の欠損もないやつもかなりいる。
また、色の明暗と体の欠損具合にはあまり関連性が無さそうで、黒っぽいor白っぽいから
欠損が大きいというわけでもなさそうだ。
そして興味深かったのが、人の後をつけているやつはビル内にまで入っていくが、
単独でいるやつはずっとビル前や地下駐車場?みたいな場所で待機していて、
ビルから出てきたまだそれがついていない人に、全員ではないがついていくらしい。
原則1人につき1体つくようなのだが、出てきた人全員につくわけでもなさそうだし、
つかれた人もいろいろで共通点があるようにもみえず、つく人とつかない人の違いが解らない。
ちなみに、車やタクシーで出て行く人の場合には、乗り込んだ瞬間に人のような物体が
車の中に吸い込まれるように入って行き、ターゲットが車から降りる場合には車体からスーっと現れてついていく。
A君も俺も、バイトを始めてから物珍しさもあってこのテレビ局のところまできたことはあるのだが、過去にこんな物は見た事がない。
訳が解らないしかなり異様だ。
訳が解らないしかなり異様だ。
そんな事を何となく考えていると、なんの気配も無くいつの間にかA君の後ろに「それ」が現れた…
「え?」と思ってA君に声をかけようとすると、そいつが俺たちに
「ねぇ、気付いてるの? 見えてるんでしょ?」と話しかけてきた。
「ねぇ、気付いてるの? 見えてるんでしょ?」と話しかけてきた。
その声はかなり異様で、まずぐぐもり過ぎていて男の声なのか女の声なのかも判別
できないうえに、喋るたびに電波状況の悪いAMラジオのように変なノイズのようなものが入る。
A君は明らかに動揺し後ろを振り向こうとしたので、俺は慌てて腕を引っ張りうしろのやつから少し離すと、
小声で「何も答えず振り向くな、あとのやり取りは全部メール
小声で「何も答えず振り向くな、あとのやり取りは全部メール
でするから」と伝えた。
なぜこんな対応をしたのか、実は今になっても俺自身にも良く解らない。ただ、その時
俺は強烈に「やつに何も答えてはいけない、気付いた素振りもしてはいけない」と感じていた。
そしてA君へメールで「とにかく何も気付いていない振りをしろ、こっちが気付いていないとあいつらが諦めるまで演技し続けろ」と送り、
メールを読んだのを見計らって「とりあえず昼飯でも食いに行くか」と白々しく言い、その場から離れる事にした。
メールを読んだのを見計らって「とりあえず昼飯でも食いに行くか」と白々しく言い、その場から離れる事にした。
とにかくこの場から遠くへと離れたかった俺たちは、何が食いたい?とか
どこそこに良い店があるとか、ひたすら不自然にならない程度に会話を繋げていたのだが、こういうときに限って中々会話が繋がらない…
お互い無理に会話を始めてすぐに途切れるなんてことを続けていたのだが、
その間も俺たちの後ろにいる人のような物体は
「ねえ、見えているんだよね?気付いているんでしょ?」とか、
「無視しないで答えてよ、解ってるんだよ?」とか
「ねえ、見えているんだよね?気付いているんでしょ?」とか、
「無視しないで答えてよ、解ってるんだよ?」とか
話しかけてくるうえに、信号待ちなどで止まると顔を覗きこんでくる。
しかも、話し方は丁寧でなぜか妙に馴れ馴れしいのだが、口調は微妙に悪意 の篭った感じで、
そのうえ顔は完全なのっぺらぼうで表情が読み取れないから かなり怖い。
そのうえ顔は完全なのっぺらぼうで表情が読み取れないから かなり怖い。
不自然な、まるで会話のキャッチボールになっていない会話をしながら、俺はふとこの場所からかなり遠くにある美味いと評判の洋食屋の事を思い出し、
A君に「ちょっと遠いけど、なんか美味いって評判の場所知ってるからそこいかね?」と話を持ちかけた。
そして駅へと向かい電車に乗ると、30分以上かけて目的地の駅まで
たどり着いたのだが、改札を出た辺りでA君が俺にメールをしてきた。
「なんか例の人みたいなやつら増えてるんですけど…」と書かれている。
ぎょっとした俺がA君の顔を見ると、かなり動揺しているのが解る。
電車に乗っていたときは1人しか見かけなかったはずだが、一体どこで…
と思いながら、信号待ちしているときを見計らって不自然にならない程度に後ろをチラ見して愕然とした。
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