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その友達の実家は山の中腹辺りに有る。
しかも近くに古い御墓も有り夏の夜はかなり雰囲気が有る。

ある夏の夕方、友達(A)はダイエットのため家の近くの山道を走って(歩いて)いた。
件の御墓の前を通り過ぎた時、御墓の近くから声がした。
御墓の周りを見回しても誰も居ない。

気のせいだと想い視線を御墓から背けたら、耳元で

「御墓掃除して下さい…」

と少女の声で囁かれた。

怖くなり、転がるように家に帰り布団に潜り込んで震えていた。
だが、先程の声が余りにも哀れに覚えて次の日花と線香と掃除道具を持ち、御墓に行った。
掃除が終わり、花と線香を添え終えて、手を合わせていたら

「ありがとう。」

と、前より少し明るい少女の声でお礼を言われた。
顔を挙げると目の前の地面に、野苺と一輪の花が有るだけだった。