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俺は手が小さい。というか指が短い。
指の太さや手のひらの大きさなんかは体格相応なんだけども、長さだけ小学生並みに短い。

高校までとりわけ気にしたことはなかったんだが、高校に入って音楽の授業でギターを弾かなきゃいけなくなった。そうするとどうにも指の長さが気になってしょうがない。

Fコード(人差し指で2弦を押さえる)はなんとか押せるようになったもののBコード(人差し指で全弦押さえる)はどうやっても押せない。押せるように持ったとすると今度は親指を使えなくなるんだね。
課題曲にBコードが多用されてることもあってある時やってらんないとカーチャンに愚痴をこぼしたんだわ。
するとカーチャンがぼそっと「蛇の祟りかもね」ってなことを言ったんだわ。

家が農家なんだが、なんでも爺ちゃん(山育ち)は蛇が大嫌いで、農作業の最中に蛇を見かけるとアオダイショウだろうがシマヘビだろうが見つけるたびにコンクリの道路に叩きつけて殺してるらしい。

それに付け加えて「あんたが足を悪くしたのももしかしたらそれかもしれない」ってなことを言われた。
後だしになるけれども俺は小2の頃左股関節のペルテス氏病(簡単に言うと原因不明で関節の骨が削れる病気)で3年ほど装具をつけて車いすと松葉杖での生活する羽目になったんだわ。
不思議なのは傾向として活発な男児が発症しやすいのに俺は昔から運動音痴極まれりみたいな稀に見る運動神経のひどさで本ばかり読んでたからこっちには該当しない。もう一つ考えられるのは先天的な骨格の異常によって誘発される場合なんだがこれも俺は該当しなかった。

まあ、原因から直さなきゃいけないような代物でもないんで誰もさして気に留めなかったんだわ。

ご存じのとおり蛇には手足が無いから手足に関する障害の因果といえば蛇が思い当たった、というわけらしい。俺としては三白眼に生まれついた事の方が蛇の因果を感じさせる気がするんだがな…
蛇の祟りといえば皮膚がうろこ状になる奇病がオーソドックスだけどたまにこんな話もあるらしい。

まあ、足の方は前述の通り原因から直さなきゃいけない病気でもなかったし、手の方は手の方で某14鍵盤の音ゲーやってたら手が小さいほうが都合がいいから別段変な因果を背負ったなんて自覚は毛頭ない。
しいて言うなら小さいころやたらと家の周りに蛇の抜け殻があったなあってくらい。