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私はナレーションの仕事がしたくて
都会の専門学校に通ってた。

でも真面目ではなくていつもクラスで仲の良かったAと一緒によく学校をサボってた
ある日、私とAは連日のサボりが祟って
補習を受ける事になった。

補習が終わって
自分達の学科の校舎の屋上で喋っていたら
雨上がりの空が綺麗だった
私は折りたたみ携帯を取り出して、手すりに乗せて写真を取り始めた。

私の必死の様子にふざけたAが私を
携帯のカメラで撮りだした
じゃれあってAの撮った写真を見ていたら
Aが「私の体が透けてる」と言い出した
Aは霊感が強い子でよくこう言う事を言う子だったので、その時もやめてよーとか言って笑って誤魔化したりしてた。
いつもは笑って済ませるAなのに
この時はいつもと違っていた
「いいから 見てみてよ」と真剣な顔をして言われたので
しぶしぶ私は画像を見てみた

その時私は色の濃いポロシャツを着ていたのに、私の体を通して屋上の柵が見えてた
結構怖かったけど
その時はまだ余裕があって
「光の加減でしょう~ 逆光だしw」
とか言っていた。でもやっぱり自分の体が透けてるとか怖いから、もう一度同じアングルで写真を撮って貰った。

Aがカメラを構えたんだけど
カメラ越しに見た私の姿はやっぱり透けていたらしい。ここまででかなり怖かったんだけど、なぁなぁにするのはもっと怖いから
今度は別の西日が差さない位置に移動して撮ってみた。今度は私の体は透けていなかった。
そのかわりに 晴れてたはずの空は真っ白な煙のようになっていて。コンクリートのはずの地面はぐちゃぐちゃの なんだかよく分からない苔むしたようになっていた。私とAはもう顔面蒼白 明らかにこれはおかしなか写真だ…
と思っていたけど怖くて口に出せなかった。その場には居られなくなり室内に移動した。

私は混乱しまくっていた。恐怖で足は震えるし、自分は死ぬんじゃないかって本気で思った。でも確かめたくて 私はAに画像を私の携帯に転送して欲しいと頼んだ。
今でも忘れられない 本当にホラー映画みたいなんだけど。転送された画像がゆっくり開かれていって その画像が余りにも恐ろしくて。本当に気を失いかけた。

転送された画像は全く違うものになってた
同じ写真のはず。って言うかAの携帯にあるのは、私が透けてる写真と透けてないけど変な写真の二枚だけのはず。問題の画像は透けてない方を送ってもらったのに