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その昔、松竹新喜劇の藤山寛美がいたころの実話
藤山寛美はよく舞台の楽屋で寝泊まりしていて
娘の藤山直美が夜中差入れに訪れていた

劇場の中は管理室みたいなところに警備の人とお茶子さん(寄席や劇場で働く女性)くらいしかいない
そこを通って廊下を過ぎると細長い階段があって
そこを登ると藤山直美らの楽屋がある

ふと見ると誰も残っていないはずの階段を登る着物姿の女性の人影がある
お茶子さんは、さっき通った管理室の人以外に他に残っていないと言っていた。

妙に思ったけど、階段を上がり楽屋に行って差入れをすますと
「あ、それは劇場に住み着いてる女優さんの幽霊だよ」って普通に言うのだそうだ。

ちなみに、藤山寛美が他界し松竹新喜劇の人気もなくなると
演じられていた劇場だった角座も取り壊すことになるのだが
取り壊しが決まると、なぜか道頓堀法善寺の裏から火の手があがり
角座も全焼してしまい、取り壊されるのを待たず自ら消えたのであった・・・

歴史のある古い劇場にはなぜかこの手の話は多いのです