都内の地下鉄での出来事
乗車して座席に座り電車が動き出すと誰かの話し声が聞こえた
しーんとした比較的空いた車内にその声だけが響く
直ぐに向かいの席の男が喋っているのだと気付いた
リュックを抱え無表情で正面を見据えて喋っている
車内でデカイ声等を出す人間には慣れてたので始めは気にしなかった
が、注意して聞くと内容がおかしかった
「ピッピッピッポーン」
「○時になりました。この時間のニュースをお伝え致します」
「まずはお天気です。東京は、晴れ、気温は○度。続きまして…」
まるでNHKのニュースでも聞いているようだった
首都圏の天気の後は都内で事故がどうとか首相が○国の代表と会談したのがどうとか国会で何が話し合われたとか言ってたと思う
本物のニュースみたいに淀みなく男は喋り続けている
(何だコレ?)
表情に出さないよう気を付けたが正直気味が悪かった
何駅過ぎてもずっと男のニュース(?)は続いた
男の隣に座るおばさんが目を閉じて(寝ようとしてた?)すごく嫌そうな顔をしていたのを覚えてる
やがて自分が降りる駅に着いたがまだ喋り続けてる男
多分その後も喋り続けてたと思う
当時はほぼ毎日その路線を使っていたが以来男と再会することは無かった
電波さんって言葉があるけど本当に何かを受信してるとしか思えなかった
コメント
コメント一覧 (1)
いちど一緒に電車のったときそれを実演して見せてくれたけど
あまりの迫真ぶりにちょっと引いたわ
もっと引いたのは「けっこうみんなやってるよ〜」て言ってたこと
本物のひとたちに対して失礼だから、絶対にバレないように演技しなきゃいけない
まずは団員らどうしで迫真ぶりをチェックし合ってから、合格なら本番に挑むんだとさ
配慮の感覚があるんならそっち系じゃなくて酔っぱらいの演技とかでいいじゃんと思った
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