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今から10年くらい前の話、昔の話なので細かい数字など適当なところもある。
その当時警察官の友人から聞いた話。
8月某日友人が勤務している警察署に電話があった。

「〇〇という場所に人が倒れています。助けてください」

友人は救急への連絡の有無や細かい場所、倒れている人の現在の状況等を電話してきた人に聞いた。

「すいません。今家にいるので詳しくはわかりません。救急にも連絡していません」

は?と友人は思い詳しく聞いてみると、〇〇という場所(山道)を車で走っていると道路脇の草むらから倒れた人の足が見えた。大変だと思ったし携帯電話も持っていたが怖くなったその人は見て見ぬふりをして帰宅した。
自宅で自分がした事の大変さに気付き、警察に電話したというのだ。

警察から救急に連絡、すぐに友人も仲間とその場所を捜索した。
すると確かに人は倒れていた。
60代ほどの男性で、残念ながら既に事切れていた。

事件性の有無などを調べなければならないので色々と調査が入った。
亡くなっていた方は付近に住んでいる方。付近といってもまあまあ遠いのだが、ど田舎なので。
死因は熱中症と持病。
その方はその付近をたまに散歩する事があるというご家族からの証言もあり事件性は否定された。

通報者には、このような場合は直ぐに連絡しなければならないと厳しく叱責した。通報者が発見した時間には既に亡くなっていたであろうという事も伝えて彼があまり自分を責めすぎないようにフォローした。

通報者発見時刻 12時30分
警察署への通報時刻 13時30分
死亡推定時刻 13時30分

本当は通報者が冷房の効いた部屋で警察に連絡していた頃、真夏の熱気の中あの人は亡くなっていったのだろう。
友人はそう俺に話してくれた。

ふと思いだしたので。俺的には色んな意味で怖いと思ったよ。