ある日知らない男の人に話しかけられどこかに連れて行かれそうになりました、今思えば古典的な誘拐だったのでしょうが当時の私はホイホイついていきました。
腕を掴まれ引っ張られていくうちに、男は迷ったのか足を止めます。
なにせ山奥ですから、目印も特徴的な景色も何一つありはしません。
「ああ、迷っちゃったんだな。元の場所に戻らないと」
と思い、男について来るように言い来た道を戻りました。
少し歩き後ろを向いたら男はいませんでした。はぐれたのかと思い少し探してみますが歩いた山道にはいません。
仕方ない、自分だけでも帰ろうと自分の家まで戻ったら何故か警察。
一週間私は家に戻っていなかったそうです。
数週間してから身元不明の男性の死体が発見されたと親に聞きました。
所謂神隠しみたいなものだったのでしょうか、未だに分かりませんがこの出来事が起きてから集落のお年寄りは「捧げねば、捧げねば」と私を見るたびに言います。
いくら文明が遅れている集落だからといって人身御供は嫌です。
神隠しよりも人身御供の方が最近は恐ろしく感じます。
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