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小学生のとき自分は小学校の体育館でやっている剣道教室に通っていた
その帰りの出来事です。
田舎ではないのだが小学校の近くには割と大きな森があり、そこはたまに変質者もでるというものでした。
その森を抜けて帰るのが家への近道だったので、昼過ぎに剣道の終わった帰りにはいつもそこを通って帰っていました。
それでもって小学生というのはつくづく森の中とか暗いところが好きなもので、あるとき帰りにちょっと道のから外れて森の中へ入ってみました。
といってもそんなに深くまで入ったわけではないのですが、獣道を辿ってほんとに道から十歩ぐらい歩いたところでしょうか、ふっと気がつくと前に男が立っていました。
ちょうどそこは木漏れ日が差し込んでおり、男は日の光に向かって両手を広げているようでした。
が、実のところ男が何をしていたのかはっきりと覚えていません
ほんとに歩いていると突然目の前に現れたのです。
それまで自分は全く気づきませんでしたが、男は歩いて来る自分の足音に気づいていたのでしょう。
自分が男に気づいたとき、男はこちらをみて笑っていました。
ねっとりとした気味の悪い笑い方で、何かぶつぶつとつぶやいていました。
目が合った瞬間に子供心にこいつはやばいと直感して走って元来た道を戻りました。
幸い追いかけられることはありませんでしたが、走っている途中は「死体を埋めているところだったのだろうか」とか、「カルトの儀式かもしれない」などと考えてものすごく怖かったのです
それぐらい異様な光景だったということは覚えています。

この話には後日談があります。
その後自分は別の土地へ引っ越したのですが、つい先日その男に会いました。
偶然だろうかといえば、そうではないでしょう。
男は自分と目が合うと、ニタリと笑いかけてきたのです。
かなりの年月自分を探していたのではないかと思うと震えました。
結局その日は家には帰りませんでした。