キャンパスの2階にあった絵を描く作業場でぼんやりしてたらイーゼルの上に誰かのスケッチブックが置いてあった
なんとなくパラパラとページをめくってたら口を縦に大きく開けて舌を出している、細長すぎる顔をした女の絵が描いてあった
昔風のソバージュヘアで黒目が大きく空洞みたいで、舌が異常に長かった。
そして、意味分かんないんだけど、絵の右下に「操縦不能」って文字が書いてた
美大だから奇天烈な奴も普通に居たし怖い絵もそんなに珍しいものでも無いんだけど
その絵はなんか本当に異様な感じがして怖くなって、ダッシュで教室を出た
中庭まで出て2階にある、さっきまで居た作業場の方の窓を見たらめっちゃ笑顔の女が、さっきのスケッチブックの不気味な絵を俺に見えるように、窓の外に向かってかざしてた
あれは怖かった。
怖すぎて、卒業までの間、作業場で一人にならない様に工夫してた。
コメント
コメント一覧 (1)
予想外に際立つ力を
「可能性」と呼ぶのだけはやめてくれ
コメントする