当時俺は2階に自分の部屋を持ってた。高校生になって何となく親や弟と団欒するっていうのが面倒くさくなってたから1人で部屋にいてダラダラしてる事が多かった。
それで、俺の部屋には机のそばに若干大きめの窓が1つ付いててね、窓を開けて外を眺めつつ涼んだりしてたのね。
外を眺めたらちょい広めの道が見える。見えるって言っても街灯と街灯の丁度間になってて相当暗い。
で、ある時夜の11時ぐらいだったと思う。いきなり凄い赤ちゃんの泣き声が聞こえた。赤ちゃん特有の絶叫に近い泣き声。
何事かと思って開けてた窓の隙間から外を見てみたら、誰かが立ってる。
でもあることに気付いた瞬間ゾクッとした。凍りつくってホントにああいう事なんだって思う。
その人、赤ちゃんを抱っこしてるとかおんぶしてるとかじゃなかった。その”立っている誰か”が泣いてた。顔は手で覆ってて見えなかったけど、明らかに大人なのに声だけが赤ちゃんの絶叫だった。
ブワッと鳥肌がたって思わず
「うわっ!」
って声を出しちゃったのね。
そしたらピタッと泣き声が止まって、こっちを向いて、顔にあてていた腕をどかした。
ホントに気絶するかと思ったね。
バッチリ、目があってるんだ。明らかに気付かれてる。そして、ニヤッて、歯を全部見せて笑う感じのニヤつき方をしたように見えた。さらに凄い勢いで手を振ってくる。
「ヤバい!!」ってようやく本能で感じ取ったんだろうね。それまで凍ってた体がすぐに動いて窓を閉めてカーテンも閉めて、そばにあったテニスラケットと携帯を握りしめて布団に潜り込んだ。
その後、気が付いたら朝になってた。寝落ちしたんだと思う。
大学生になってその家からも県からも出ちゃったけど、たまに思い出す。その度に窓が閉まってるかを確認する。
お前らも気をつけろよ。
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